掲載日:2023年06月07日 プロが造るカスタム
取材協力/BITE
取材・写真・文/ガスグラフィックス
スポーツスクーターとして登場し、欧州市場を中心に人気があるTMAX。日本でもこの素性の良さをそのまま楽しむユーザーがかなり増えているが、発売当初はビッグスクーターブームの影響により、ローダウン+煌びやかなパーツ装着によるラグジュアリースタイルのTMAXが数多く作られた。ここに紹介する1台も、そんなブームの真っただ中に生まれた貴重な車両だ。
製作は、BITE(バイト)。現在は、ホンダドリーム八王子店として活躍しているが、ブーム当初からホンダの正規販売店でビッグスクーターを精力的に手掛けていた、数少ないプロショップのひとつなのだ。2022年10月掲載のホンダ・フォルツァでも紹介したように、同店は当時からオリジナルエアロの製作販売もするなど、ビッグスクーターを積極的に盛り上げてくれていた。ホンダ系だったため、フュージョン、フォルツァのカスタムが多かったが、元々はサーキット走行会なども主催するお店だけに、走りとラグジュアリーを融合させたこのTMAXのようなテイストも得意としていたのだ。ハンドルや足回りなど、徹底的にメッキで統一され、ボディは渋派手なデザインをバイナルグラフィックで表現。様々なTMAXが生まれる中でも、煌びやかなラグジュアリー感とスポーティ感を高次元で融合させたスタイルは、同店ならではの見せ方だった。
その後TMAXは530cc、560ccへと時代と共に進化を遂げ、ユーザーの好みは、ラグジュアリースタイルよりもスポーツを楽しむ傾向がより強くなった。しかも、あの時代の初代(SJ02J)と2代目(SJ04J)、そして外観がこの2種と異なるが3代目(SJ04J)までの500ccシリーズは、中古車の台数も減ってきている。ベース車として手に入れやすい個体も少なくなっていることもあり、この車両のような当時のラグジュアリーTMAXを現代に蘇らせてみるのも、面白い試みかもしれない。
フロントフェイスは、全面に立体的な造形を入れたデイトナ製。バイナルグラフィックのデザインでトライバルを使用しているため、エアロの雰囲気があえて分かりにくくなっているのがポイント。また、シルバーやメッキに合わせて、ウインカーレンズがクリアのボスコム製に変更し、色味を統一している。
定番品のウェイブローターはダブルで装着。アウターフォーク、キャリパー類、ホイールを徹底的にメッキ化しているが、カバー類の装着ではなく全て加工によるもの。そのため高級感が格段に向上した。
ミラー、ポストカバー、ハンドルブレース、マスターシリンダーカバーなど、ハンドル回りのメッキ化もぬかりなし。この状態こそが本物のフルメッキと呼ばれる仕様なのだ。
マフラーはTMAX用としてラインナップされたデビル製のため、フィッティングも抜群。スイングアーム、ホイールなどのメッキの深さや輝き具合は必見だ。
シートはオリジナルによる張り替え加工済み。車体全体の質感に合わせ表皮を選び、かつ乗車時の乗り心地やホールド感といった機能性も考慮。このセンスは、やはりスクーターだけではなく、総合バイク販売店として培ったこだわりが溢れている。
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