掲載日:2023年03月08日 プロが造るカスタム
取材協力/PIT IN AUTO 取材・写真・文/ガスグラフィックス
東京都新宿区の老舗バイク店ピットインオートは、ビッグスクーターのカスタムショップではなく、一般的なバイクの販売修理をメイン業務としている。ブーム当時にショップオリジナルのビッグスクーターブランドを設立。その後ブームが沈静化しても、販売店としてしっかりと地元で活躍を続けており、いかにユーザーに信頼されているかが理解できる。その同店が手掛けてきたビッグスクーカーカスタムのテーマは、一貫してラグジュアリーだった。嫌みの無いシンプルなデザインのエアロや、法律に則り、さらに性能を重視したパーツの装着。そして、高級感を増すために施された光沢感と耐久性に優れたメッキ仕上げ。これで数多くあるライバルとの差別化に成功してきた、貴重なショップなのだ。
漆黒の外装と眩いメッキパーツが印象的なこの車両はホンダ・フォルツァで、一般的には「08(ゼロハチ)」と呼ばれる2代目となる。さらにこちらの車両は、2006年に実施されたマイナーチェンジ後のモデルがベースとなっており、ウインカーレンズがクリアになり、ヘッドライト形状を変更。そして、ノーマル状態でもリアテールがLED化されたものだ。ピットインオートが出掛けるオリジナルブランド=B’s Styleでは、このマイナーチェンジ後の車両のパーツ開発にも積極的で、意匠変更されたフロントに合わせて、この新型エアロを開発販売した経緯がある。しかも、この車両には未装着だがアイラインを整えるキャッツアイガーニッシュ、バネが見えないフルカバードタイプローダウンサスキット、ストリート系マフラーの定番品だったスーパートラップといった、玄人ウケするパーツの数々を生み出していたことが懐かしい。
最近ではこういったスタイルのビッグスクーターを見かける頻度はかなり少なくなってしまったが、老若男女問わず、ビッグスクーターブームの基盤を支えてくれたカスタムこそ、こういったブラック&メッキに包まれたラグジュアリーだったことを覚えておいてほしい。
前頭部のボリューム感を増しつつも、スクリーンレスにすることで軽快感をアップさせたフロントマスク。サイドもノーマルウインカーをそのまま流用しながらワイド感を強調するポン付け可能な正統派パーツだった。フロントフェンダーもスポーティなデザインが魅力のB’s Style製を装着。
ちょいカチ上げのロングサイレンサーは、当時の人気スタイルのひとつだった。ピットインオートでは、KERKERと提携し各車種用を正規にラインナップ。フルエキゾーストタイプで、このオールステンレスの他にオールアルミ仕様やカチ上げしないストレートタイプも販売していた。しかも、ローダウン車に対応したフィッティングだったのがポイント。
後端に向かって伸びるラインが美しいリアスポイラーはラージタイプ。これ以外にも中央部の張り出しが印象的なスモールタイプもあった。テールは当時の定番ボスコム製。ポジションとブレーキ使用時に4灯が点灯する。ナンバープレートの装着もB’s Styleのエアロフェンダーレスキットを使用。LEDのため明るく、ボディに沿ったフォルムを採用したデザイン性の高い画期的アイテムだった。
フロントホイールは14インチ化。それに合わせてマロッシ製ウェーブディスクローターを装着。美しいメッキの質感がピットインオートの車両の特徴。この光沢感は見た目だけではなく耐久性も高いため、同業者からも評判が高い製品だった。横からの視点は、フェンダーのシャープさが分かりやすい。
手首の位置を低めにするスーパーローハンドル。ハンドルスイッチ穴は加工済みの各車種対応品。ブレースは別売りだが、アルミ削り出しのメッキハンドルポストやその他のメッキ加工の質感が、ハンドル周りを高級感で満たしてくれている。
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