掲載日:2022年05月11日 プロが造るカスタム
取材協力/Kustom Garage INFINATE TEL 072-865-2079
取材・写真・文/ガスグラフィックス
ビッグスクーター界の中で、絶対領域のカスタムを手掛けることで一躍トップビルダーの仲間入りを果たしたインフィネイト。プロとしての活動直前となる2007年にトランスクーター誌が開催したカスタムコンテストにおいて、プライベーターとして「ベスト・ユーザー・グリッター賞」を獲得したマジェスティCがこちらになる。
当時発売されていた各社外品のエアロやパーツなどを駆使しながら、各部で自らワンオフ加工を担当。エアロのフィッティングといった細かい作業から、全体のバランスを考えてのデザイン。さらにはベストなサイズ感を目指してフレーム加工まで担い、ご覧のような隙の無いカスタムマジェスティCを作り上げたのだ。しかも、見えないチューニングポイントとしては、駆動系もしっかりと変更していること。現在に続く、外観だけではなく速さにもこだわるカスタムは、この頃にはすでに積み上げられてきたインフィネイトの流儀なのだ。
その後、クルマのローライダーカルチャーを意識したワイヤースポークホイールの装着やソウルペイント、スーパースポーツ系フロントフェイススワップをよりポピュラーにするなど、インフィネイトがこのビッグスクーターカスタム界において与えた影響は計り知れない。同店の最近の車両はマグザムやフロントフェイススワップ車両が多いため、マジェスティCそのものの姿でのハイクオリティな仕上げを見ることができるのは貴重な機会だ。各部の造り込みやバランス感など、ぜひここから参考にしてほしい。
フロントフェイスは当時のハードカスタム製作で有名だったP-CAN製。純正メーターをカットしないスタイルは、懐かしさと共にこの高さならではの良さを思い出させてくれる。サイドカウルも同じく懐かしいVIPオキナワ製。スカイウェイブ製を違和感なくここまで美しくフィットさせるのがインフィネイトの技術なのだ。ゴールドリーフとピンストライプの使い方も学ぶ要素が多々ある。
リア周りは純正をベースとしたワンオフ加工によるもの。ノーマルのテールランプに合わせたリアスポイラーは、派手系デザインが人気だった当時の中ではかなり斬新なもの。また、2007年の時点でFRPによるフラットシート化にも注目だ。
デイトナのハンドルバーとビレットグリップ、そしてパフォーマンスマシンのマスターシリンダーと、当時の人気パーツが使われているが、スイッチ類を移植加工し、ポッシュ製ハイスロットルキットを使い、無駄なモノを一切省いた造り込みが印象的。
30cmのロングホイールベース加工は、ボディとのバランスはご覧の通り。見えないがエキパイはワンオフマフラー製作などで有名なブルーエンジェルのトグロ巻き。トリックスターのサイレンサーもバランスよくフィッティングさせるだけではく、エキパイと同様にパワーを追求したパーツチョイスなのだ。
ナンバーフレームのツイストやステーのスパイダーデザイン加工など、当時からこういった製作を得意としていた。プーリーケースのスピンナー加工もワンオフによるもの。最近はエングレービング(彫金)加工でも有名だが、この当時からその努力が始まっていたことを確認することができる。
シート下にはオーディオ類もインストール済み。あまりオーディオカスタムのイメージは無いかもしれないが、アメリカンスタイルにこだわるパーツチョイスや、見せるオーディオ術にもそのセンスが表れている。
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