掲載日:2020年11月11日 プロが造るカスタム
取材協力/Kustom Garage INFINATE(Tel 072-865-2079) 取材・写真・文/ガスグラフィックス
美しいフレームワークと1台ごとに斬新なアイデアを採用する大阪のカスタムショップ=インフィネイトの最新作は、定番のワンオフフレーム加工による極限までの低さだけではなく、速さも追求したマグザムだった。
車体のルックスに関しては、同店が得意とするフレーム加工を採用。ノーマルフレームの腹下部分をカットしノーマルガソリンタンクを取り外す。代わりにワンオフタンクを装着して、フレーム部分の底上げ加工を施すのがインフィネイト流。こうすることで、前後サスペンションによる過激な車高下げではなく、しっかりと走るためのサス可動域も確保し、かつマグザム本来の外観を流用したままでの美しいローダウンスタイルを獲得している。
一方で、キャブレターにFCR製ダウンドラフトを採用。エンジンとキャブレターの間にある吸気管長が最短になることで、アクセルレスポンスの向上や高回転域でのパワー向上に貢献。かつ点火系ではASウオタニ製SPIIを使って理想的な混合気の状態を作り出し、低中速域でのトルクアップと高速域での伸びを獲得した。その結果、同店代表のDJ-Kさんによれば、「アクセルを開けた瞬間からのエンジンのツキが格段に上がって、乗り手が欲しいと思った速度域までの加速感が圧倒的に違う」とのこと。
極限まで低くされ、かつエングレービングを施した外付けエアサスタンクの印象から、このマグザムは見た目だけの車輌と思われがちだが、その外観だけでは想像できない秘められたチューニングとカスタムに対する豊富な知識と経験値を持つのが、インフィネイトなのだ。
フロントはヴィヴィッドパワー製マスクのノーズ部分を延長し、ヘッドライトを鋭角デザインに変更。純正ウインカー部はカーボンシートにし使用できないようにした代わりに、ヘッドライト部分にワンオフウインカーが組み込まれている。
見た人に衝撃を与えるエアサスタンクの外付け仕様。これまで、収納部分が無いため外付けにしたという実例は何度もあったが、見せるためにこの位置にフィッティングされたスタイルは皆無。さらに、インフィネイトが得意とするエングレービング加工(彫金)が追加されたことで、スタイリッシュな仕上がりに。
細部へのこだわりはハンドル部分にも及ぶ。ハンドルバーはスポーティ感を高めるカーボンを採用。ラジアルポンプが採用されたニッシン製ブレーキレバーによる制動力向上も目指しつつ、スイッチ類は同店による小型スイッチを使用。機能性を確保しつつ、ハンドル周りをシンプルに表現した。
ケイヒン製FCR39φダウンドラフトキャブレターを採用。エンジンとキャブ本体を繋ぐインマニはインフィネイトがワンオフにて製作。天を向いたエアファンネルはシート下と干渉してしまうためシート裏側部分に逃げ加工が施されるなど、速さ追求のために見えない部分への創意工夫を欠かさない。燃料タンクもDJ-Kさん自身によるワンオフ品。この技術力がインフィネイトの底力だ。
フロントホイールはクルマ用であるSSR製スターシャークを採用。シャープな星形デザインは、マグザムのスポーティ感にぴったり。キャリパーやフロントサスのアウターと同色の黒で統一し、目立たないように装着。
スクーターでは珍しいシングルシートデザインは、ノーマルのシートデザインをそのまま流用してFRP可。マグザムに対しては過激なデザイン変更を望まないインフィネイトならではのアイデアと言えるだろう。
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