掲載日:2020年02月05日 プロが造るカスタム
取材協力/オルタネイティブ
取材・写真・文/ガスグラフィックス
現在のCJ43スカイウェイブエンジンへのスワップが主流となる前は、ノーマルエンジンのままでのロングホイールベース化が、最も人気の高いハードカスタムだった。その加工をする際にフレーム加工が伴うのだが、リアサスペンションをどこにどのように設置するかが、各ショップの腕の見せ所でもあった。
こちらのマジェスティCにはマルゼンオート製のリンク式サスペンションと同社による機械式エアサスがセットされている。元々は、4輪のホイール修正やホイール修正機の製造販売などを手掛けるお店であり、そういった工業技術を活用してビッグスクーターのジャンルでも注目を集めた時代があった。その一つが同社製リンク式サスペンションであり、しかもそれをキット化。さらに、リンク式を採用したことで車体下部にリアサスペンションが設置されることから、リアサスが見えないという外観もファンが喜ぶポイントだった。
この車両のように、当時の面影を色濃く残し、かつ当時関係していたショップやメーカーが叡智を集約して完成させた多くの車両が、当時のオーナーの元を離れて所在が不明になっているものも多い。しかし、埼玉県にあるオルタネイティブでは、こうした有名車両を引き取り、次世代のオーナーへと引き渡す業務をずっと続けている。一般的な中古車ではなく、ハードカスタムの中古車を数多く取り扱うスクーター専門店としては、正に唯一の存在となっているのだ。