掲載日:2019年09月18日 プロが造るカスタム
取材協力/弥生
取材・写真・文/ガスグラフィックス
鮮やかなピンクとマットブラックのコントラストが印象的な3型TMAXは、ヘッドライトなどを見れば分かるように、完全にサーキット専用車として作りこまれている。サーキット用と聞くと、サスペンションやホイール、ブレーキまわりなどに高額なパーツが装着されているように思われるが、この車両はホイールがノーマル。ブレーキはメッシュホースを装着したのみ。フロントサスは5mmだけ車高を上げ、イニシャルアジャスターを装備。リアサスはBPM製を装着しているが、基本的にはそれだけ。ハンドルもカバーを外したノーマル。見えない部分では、吸排気系と駆動系はもちろん交換されているが、逆に言えば、ほぼそれだけしか施されていないライトチューン仕様となる。
しかし、驚くべきことは、この仕様で筑波サーキットコース2000、鈴鹿サーキットでのTMAXでのベストタイムを記録している点にある。ライダーの技術があれば、TMAXの基本性能を伸ばすこれだけのチューニングで、必要にして充分な結果を得られることを証明しているのだ。オーナーはストリートからサーキットまで、ずっとTMAXにこだわって何台も乗り続けた経験を持つ。その経験値が、TMAXの素性を理解し、ミニマムのパーツチョイスで、マックスの性能を引き出す術を理解しているわけだ。
この3型TMAXが発売されていたのは、2008年から2013年前半まで。すでに、2世代前のモデルだけに、中古車の価格もかなりお手頃になっている。しかも、人気車両だっただけに車両探しも苦労することはない。スクーターで速さを楽しみたいユーザーにとって、この3型は注目されるべき存在なのかもしれない。
精悍に見えるフロントフェイスだが、基本は弥生製ヘッドライトカバーを装着したのみ。ここにワンオフでRAMエアダクトを追加し、吸入効率を向上させている。シンプルな作りこみにも関わらず、このダクトが速さを連想させてくれる。
マフラーはTMAXユーザーの支持が多いKブレインレーシング製。ミニバイクレースの経験をフィードバックしてレーシングエキゾーストを製造しているメーカーのため、ワンオフ対応にも応じてくれるのも人気の理由のひとつ。
駆動系にはマロッシ製MHRレンジキットを装着。マルチバリエーター、ケブラーXベルト、トルクドライバー、プーリーハーフなど、必要な商品が全てセットになっていて、速さを求めるユーザーにとっては、定番中の定番とも言える商品。
TMAX用として開発販売されているRPM製リアサスペンションは、無段階調整スプリングプリロード、コンプレッションとリバウンドの減衰調整可能、車高調整も可能なリザーバータンク付きで、比較的リーズナブルでもある。
見えない部分だが、この奥に40φのジェットプライムビッグスロットル、KOSOハリケーンエアフィルターなどが装備されている。このリングタイプのダクトも、均等に美しく加工され、レーシーさをさらに強調している。
レース専用となると、ハンドルも交換するのが一般的に思われるが、この車両にはブレーキがメッシュホースを交換したのみで、レバー、マスターシリンダー、ローターにキャリパーまでノーマル。そして、ハンドルもカバーを外しただけなのが印象的。
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