掲載日:2018年02月15日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 撮影/山家 健一
GTSスーパー150は、2003年に登場した「ラージボディ」シリーズの最新版。STDモデルのいわゆる「スモールボディ」と比べてひと回り大きいサイズ感が特徴。その分ゆったりとした走りで、ライディングポジションにも余裕がある。
エンジンは新設計の水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ、排気量155ccで電子制御F.I.を組み合わせた最新の「i-get」を採用している。従来モデルに比べると明らかにレスポンスもリニアで、吹け上がりも非常にスムーズ、メカノイズも減って静かになっている。
実際に信号のスタートダッシュでも、普通にクルマの流れをリードできるし、高速クルーズも楽々こなせる余裕がある。さらに、そこから追い越しをかけるパワーもある。155ccの排気量からイメージする以上に俊足だ。
また、ベスパ初となるアイドリングストップ機能や転倒センサー、2チャンネルABSを備えるなど電子制御面での充実も見逃せないポイントだ。加えて燃費性能と各部の耐久性も向上しており、見た目は従来と大差なくても内容的には大きく進化した。
ラージボディということで車格が大きい分、安定感がある。高速クルーズでも安心感があり、スチールモノコックボディの車体構造による恩恵もあると思うが、車体まわりがとてもカチッとしていて、路面のギャップやうねりを通過したときに一般的なスクーターにありがちなヨレ感がほとんどない。
ホイールサイズは前後12インチということで、最近のスクーターとしてはやや小径ではあるが、しっかりした車体剛性と足まわりで安定性はカバーしていると思う。大柄な割にUターンなどの小回りも得意で、扱いやすさと機動力を活かして混雑した街中でもスイスイと走ることができる。
足まわりは、フロントにベスパ独特のエアロプレーンタイプの片持ちリンクアーム式サスペンション、リアサスペンションには4段階プリロード調整付きツインショックを装備しているが、それぞれしっかりとコシがあるスポーティな設定。そして前後ブレーキともディスクタイプでABS標準装備。制動力は申し分なく、安全性も確保されている点も好感が持てる。そしてユーティリティの面でも、シート下スペースやグローブボックス内にUSB電源ポートを備えるなど、コミューターとしての使い勝手の良さも考えられている。
そしてベスパと言えばこのハイセンスなデザイン。伝統的なスチールボディならではの質感と曲線美はそのままに、現代的なエッセンスでまとめられたスタイリングの美しさはピカイチだ。都会を優雅に流すだけでもリッチな気分になれるし、機動力を活かしてたまには郊外まで足を伸ばしてみてもいい。眺めているだけでも気持ちよくなる、お洒落感溢れるスクーターである。
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