
掲載日:2017年11月29日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/森下光紹
ヘッドライトは上下二分割されたプロジェクターライト方式。全体のデザインはオールディーズな丸型。上半分がロービームとなっている。
真ん中に946のエンブレムを配したボディの下半分がハイビーム。完全に独立したライト設定なのは、上下共プロジェクターライトゆえ。
アクセサリーパーツの小ぶりなウインドシールドも、オールドベスパファンには懐かしいデザイン。防風効果というよりもファッション性を重視したシルエットだ。
ほぼライダーの肩幅プラスアルファのハンドルは全体のデザインを壊さぬようなラインを描き、アルミ製のカバー自体がハンドルとなる。スイッチボックスはメッキが施された樹脂製で、デザインは60年代の未来感とでも表現するべきか。
メーターパネルは液晶表示で現代的なもの。しかしその姿は、やはりどこかクラシカルなイメージを醸し出す。スピード表示が大きく、好感が持てる。
伝統の片持ちフロントサスペンションは、元々航空機の尾輪からの発想と言われている。右側はユニットが無いのでホイールデザインが良くわかる構造だ。
減衰力が高めのフロントサスペンションには高品質なディスクブレーキを装備する。ABSを標準装備するユニットは、信頼性もストッピングパワーも高いレベルにある。
ウインカーはボディフロントに埋め込まれたLED式を採用。ポジションライトもインクルードされている。
ダブルシートはパッセンジャー部分を分割したタイプで、人間工学を追求した複雑な形状。乗り降りしやすいという大きな特徴がある。
シートの下にはガソリンタンクの給油口と、小さな書類入れがあるだけだ。シート開閉のストレスを無くすために、フロント側のヒンジにはダンパーが装備されている。
シートの先端下部には荷掛けフックが存在する。これもまたオールドベスパからの伝統パーツ。実際にバッグ等を下げることができる頑丈な作り。
ステップボードは左右で6本のゴム製モールを配置。流れるようなデザインはウエストがキュッと引き締まった女性的な印象を醸し出す。後部にはタンデムライダー用のステップも装備する。
斜め後ろからの眺めはベスパ(スズメバチ)という名の由来を最も感じさせられる部分であり、クラシカルなデザインを思い起こす。後部にはクロームメッキされたキャリアを標準装備。テールライトはLEDだ。
ボディ最後部に位置するウインカーは完全にボディ内に埋め込まれたLEDタイプ。ボディ形状をまったくスポイルしないウインカーだが、昼間の視認性はあまり良いとは言えない印象。
排気量155ccのOHC4サイクルエンジンは3バルブ機構を採用し、クリーンな環境性能や燃費はクラストップを誇るもの。エンジンから一体のスイングユニットは、ベスパが最初から採用する方法である。
マフラーは消音性の高いもので、エンジンは強制空冷式。赤く塗装されたホイールは12インチで安定した走行性能を確保する。ホイールデザインも重要なポイントである。
価格(消費税込み) = 129万8,000円
※表示価格は2017年11月現在
2016年に発表されたこの真紅のベスパ946は、AIDS撲滅のために組織された(RED)とのコラボレーションにより、ピアッジオグループがその活動のひとつのシンボルとして打ち出した注目のモデルである。
■エンジン型式 = 空冷4ストローク単気筒OHC3バルブ
■総排気量 = 155cc
■ボア×ストローク = 58×58.8mm
■最高出力 = 11.9HP(8.9kW)/8,000rpm
■最大トルク = 11.5Nm/6,750rpm
■トランスミッション = 自動無段階変速
■■全長×全幅×全高 = 1,965×730×1,170mm
■車両重量 = 147kg
■シート高 = 805mm
■ホイールベース = 1,405mm
■タンク容量 = 8.5リットル
■Fタイヤサイズ = 120/70-12
■Rタイヤサイズ = 130/70-12
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