
掲載日:2017年05月16日 試乗インプレ・レビュー
取材・文・写真/田宮 徹
2015年型で新採用した、インナーチューブ径41mmの倒立フロントフォークとラジアルマウント対向4ポットキャリパーのフロントブレーキを継承。フロントフォークはシリーズ初代から、上下クランプで支持されるテレスコピック式だ。
リアブレーキも当然ながらディスク式で、スクーターらしい大径タイプ。2017型では、タイヤサイズはそのままにリアホイールリム幅が4.50サイズにナロー化され、前後タイヤも軽量タイプに。バネ下重量低減に貢献している。
アルミダイキャスト製のリアアームは、従来型よりも40mmロング。駆動力変化に伴う対地角変位量を最適化してある。リンク式モノクロスサスも新設計。Vベルトは軽量で強度に優れた25mm幅とされ、前後プーリーも新作された。
DXは、電動調整式スクリーンをシリーズで初採用。左ハンドルスイッチの操作により、上下135mm幅で任意の高さにスライドできる。またSXは、取り付けボルトの位置を変更することで、上下55mm幅で2段階から選択できる。
LED4灯ヘッドランプと導光体の組み合わせにより、エレガントで精悍なフロントフェイスを確立。レンズ輪郭にクロームのラインを入れ、エクステンションをシルバーとするなど、造形美に対する細かいこだわりが見える。
ハンドル下部右側には、財布やスマートフォンなどを入れておくのに便利なグローブボックスを装備。内部にはDC12V電源ソケットを備え、ハンドルロックなどと連動して自動で施錠や解錠される機能が盛り込まれている。
2017年型のシート下トランクは、新設計フレームと樹脂製ボックスのコンビネーションにより、スペース効率を向上。ジェット型ヘルメットなら、サイズや形状によっては2個同時収納が可能になった。内部照明を備える。
シートおよびフューエルリッドを解錠するためのスイッチは、シートの前側に配置されている。給油口は、そのスイッチの前方に。燃料タンク容量は、従来型と同じ15L。フロアトンネルは、幅と高さがかなりある設計だ。
DX仕様の左側ハンドルスイッチ部。電動調整式スクリーンやクルーズコントロールを標準装備するため、これらを操作するスイッチが巧みに配置されている。スイッチボックス下部に、パーキングブレーキ用のレバーを備える。
2017年型では新たに、YCC-T(電子制御スロットル)とD-MODE(出力特性切り替え機構)を採用。モードは、右手側ハンドルスイッチ部のボタンで切り替える。ハンドルカバー部に見えるのは、ハンドルロック用のスイッチだ。
メーターパネルも、2017年型でニューデザインに。左側に指針式速度計、右側に同じく指針式の回転計、そして中央部には新たに3.5インチのモノクロームTFT表示モニターが設置され、スポーティで高級感のある雰囲気にまとめる。
メーター中央部に配されたTFTモニターには、時刻やツイントリップ、外気温に加えて、半円メーター状の燃料計と水温計、モードの状態なども表示される。さらにDXは、標準装備されるヒーター類の作動状況も確認可能だ。
価格(消費税込み) =
DX=135万円/SX=124万2,000円
※表示価格は2017年5月現在
スポーティな走行性能と、フルオートマチック変速スクーターの利便性を、高い次元で融合。2017年型でシリーズ6代目となり、電子制御の充実化による運動性と快適性の向上を果たした。
■エンジン型式 = 水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ
■総排気量 = 530cc
■ボア×ストローク = 68.0×73.0mm
■最高出力 = 34kw(46PS)/6,750rpm
■最大トルク = 53N・m(5.4kgf-m)/5,250rpm
■燃料供給 = フューエルインジェクション
■トランスミッション = Vベルト無段変速式
■サイズ = 全長2,200×全幅765×全高1,420mm
■ホイールベース = 1,575mm
■シート高 = 800mm
■車両重量 = DX=218kg/SX=215kg
■燃料タンク容量 = 15リットル
■Fタイヤサイズ = 120/70R15
■Rタイヤサイズ = 160/60R15
■ブレーキ形式(F/R) = 油圧式ダブルディスク/油圧式シングルディスク
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