

掲載日:2014年03月05日 試乗インプレ・レビュー
取材・文・写真/田宮 徹
「インディペンデント・クワトロ・ウイッシュボーン」と呼ばれる、革新的なフロント2ホイール機構を採用。簡単に説明するなら、中央の支柱から左右2本ずつ生えたアームがホイールを支え、中央部にモノショックが寝かされている。
リアには、90L容量と非常に大きなトランクを装備。一般的なサイズであれば、フルフェイスヘルメットやジェットヘルメットを2個同時収納しても、まだかなりの余裕がある。トランクの解錠は、メインキーシリンダーの操作で行える。
国際特許を取得している、アディバならではのコンバーチブル機能付きルーフを装備。フロントウインドシールドとの接続部にある、ふたつのロックを手動で外し、3つに折りたたむようにしてリアトランクに収納することができる。
ルーフを折りたたんでリアトランクに収納した状態がこちら。開放感とスポーティなイメージがアップする。この状態では、大量の荷物をリアトランクに収めることはできないが、簡単な作業ですぐにルーフのある状態へと戻せる。
ハンドル下部には、スライド式のグローブボックスを備える。ロック機構はないが、左右2分割構造となっている内部はかなり広く、小物だけでなくスペアのグローブやレインウエアなども収容可能。様々なシーンで重宝する。
シートは、メインキーシリンダーの操作により解錠できる。シート下には、かなり小ぶりだが収納スペースもあり、車載工具や書類などを入れておくことができる。リアトランクなどと、うまく使い分けたい。また、給油もシートを開けて行う。
ユニットスイング式のエンジンは、台湾キムコ社製の205.3cc水冷SOHC4バルブ単気筒。一般的なスクーター用を、そのまま流用している。リアショックはツインタイプで、5段階のプリロード調整が可能。リアブレーキはディスク式だ。
指針式2連メーターの中央に液晶パネルを備えたメーターまわり。160km/hスケールの速度計を左側、水温計と残燃料計を右側に装備する。中央の液晶パネルには、外気温や時刻、オド、トリップを表示することができる。
非常に大きなウインドシールドは、サイドがラウンドした形状で、ライダーを風や雨から守る。シールドには電動ワイパーを装備し、ハンドルスイッチの操作により2段階で作動させることができる。さらに、ウォッシャー液も使用できる。
車体後部の右側にある、フューエルリッド風のフタを開けると、内部からはUSB電源ソケット(DC5V 2A)がふたつ出現する。かなりめずらしい配置だが、ライダーや同乗者が運転中にスマートフォンを充電するような使い方には便利だ。
フロントホイール機構がかなりスペースを取ることから、フロアボードの前側はやや狭く、膝を曲げて乗るような設定。タンデムライダーのフットレストもボード式で、かなり広めでフラットな形状により、靴底の形状を選ばずフィットする。
大きなリアトランクは、タンデムライダーの背もたれを兼ねている。中央部に大きなクッションがあるのに加え、コーナリング時に安心感を生むサイドサポートも装備。ルーフ使用時はさすがに圧迫感があるが、かなり快適にタンデムできる。
価格(消費税込み) = 72万8,000円
※表示価格は2014年3月現在
屋根付きスクーターで知られるイタリアンブランドのアディバが、13年に市場投入したフロント2ホイールの200ccスクーター。開閉式ルーフの利便性に、独自の前輪機構を組み合わせる。
■エンジン型式 = 水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ
■総排気量 = 205.3cc
■ボア×ストローク = 66.0×60.0mm
■最高出力 = 15.7kw(20.6PS)/8,000rpm
■最大トルク = 18.9N・m(1.9kgf-m)/7,000rpm
■燃料供給 = フューエルインジェクション
■トランスミッション = Vベルト式無段変速
■サイズ = 全長2,169×全幅1,080×全高1,795mm
■ホイールベース = 1,605mm
■シート高 = 740mm
■車両重量 = ---
■燃料タンク容量 = 13リットル
■Fタイヤサイズ = 130/60-13
■Rタイヤサイズ = 150/60-13
■ブレーキ形式(F/R) = 油圧式ディスク/油圧式ディスク
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