

掲載日:2013年02月26日 試乗インプレ・レビュー
取材・撮影・文/田宮 徹
フロントサスペンションは、スチールモノコックボディと同じくベスパの伝統となっている片持ちリンクアーム式。フロントブレーキは、220mm径ディスク式で、ブレーキキャリパーは片押し2ピストンタイプとなっている。
リアブレーキもシングルディスク式で、フロントと同じくディスク径は220mm。ブレーキキャリパーは、対向2ピストンタイプだ。前後連動機能は与えられていない。またホイールは、前後とも12インチ径をチョイスしている。
ボディは、ベスパ伝統のスチールモノコック製。フロアボードは、中央に低いトンネルがあり、両側に滑り止め付きの3本ラインが入った、これまたベスパらしいデザイン。タンデムライダー用のフットレストは折りたたみ式だ。
ビンテージスポーツモデルのイメージを高める、タックロールシートを標準装備。白いパイピング加工が施され、質感も高められている。タンデムライダー用のスペースは小さめの設定で、シート前後の段差は低めだ。
シートの裏側には穴が開いていて、この中にシートのレインカバーが押し込むように隠されている。雨天時にこのカバーを取り出して使用すれば、シートが濡れたり水が染み込んだりするのを、抑止することができる。
メッキ仕上げのグラブバーは、非常にシンプルなバータイプ。GTS250i.e.などに採用されているラゲッジラックを装備しないことで、スポーティなリアビューを演出し、ベスパらしいボディラインの強調にもつなげている。
搭載するユニットスイング式エンジンは、親会社のピアジオ社が設計して、ベスパ以外にも多くのブランドに供給されている、クオーサーと呼ばれる278cc水冷OHC4バルブ単気筒。燃料供給にはF.I.が採用されている。
サイドスタンドは、車体を起こすと自動的に格納されるタイプ。さらに、サイドスタンドを掛けた状態でもエンジンは停止しないため、国産スクーターからの乗り替えた組は要注意。スタンド横のループはワイヤーロック用だ。
ハンドル下部には、買い物袋やカバンをホールドできる大型フックを備える。その左側にあるのは、シートの解錠スイッチ。メインキーがオンまたはオフの状態であれば、このスイッチを押すだけでシート下にアクセスできる。
シート下トランクは、ボディラインから想像するよりも小さめ。ハーフ型のヘルメットなどが収納できる。給油口はトランク後方にあり、シートオープンが必要。ただし、シート解錠はスイッチ操作で簡単に行えるので、不便さはない。
ハンドル下部のインナーパネル部には、小物入れが隠されている。メインキーがオンまたはオフの状態で、キーをそのまま押し込むと、ボックスのフタが開く。内部には車載工具や書類、財布や携帯電話などを収納できる。
メーターはハンドルマウントタイプ。基本的にはクラシックイメージを高める指針式メーターで構成され、160km/hスケールの速度計、残燃料計、水温計が並ぶ。一方でデジタル表示の時計も採用し、利便性を高めてある。
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