

掲載日:2013年01月22日 試乗インプレ・レビュー
取材・撮影・文/田宮 徹
「クオーサー」と呼ばれる、ピアジオ社製のスクーター用ユニットスイング式エンジンを採用。278cc水冷単気筒で、燃料供給方式はF.I.だ。変速機構は一般的な機械式CVTで、変速やエンジン特性の切り替え機構は装備しない。
フロントブレーキは、260mm径のシングルディスクと、片押し2ポットキャリパーの組み合わせ。ブレーキの前後連動機能は採用せず。フロントホイールは、スクーターとしては大径の15インチで、ミシュラン製のラジアルタイヤを履く。
リアサスペンションはツインショック式。4段階のプリロード調整ができる。調整用のカラーとダンパーロッド以外は、ブラックカラーでまとめられている。リアタイヤも、フロント同様にミシュランのシティグリップを採用している。
リアブレーキもシングルディスク式で、片押し2ポットキャリパーを備える。リアホイール径は、スクーターとしてはフロントと同じく大径と言える14インチサイズ。リアタイヤ後方を覆うマッドガードが、スポーティな雰囲気を高めている。
ヘッドライトは、エッジが効いたデザインがアグレッシブなイメージを演出する左右2灯式。ロービーム時は左側のみ、ハイビーム時は左右両側が点灯する。そして中央部には、ダミーラムエアダクト風のデザインが施されている。
ボディに埋め込まれたフロントウインカーに加え、テールランプやリアウインカーにも、クリアレンズが使われている。タンデムライダーの快適性を高めるグラブバーは、後席両側にさりげなく配置。すっきりとしたリアビューを形成する。
スクリーンは、不快な乱流を低減するフローティングマウントのロングタイプで、長距離の高速巡航や雨天時のライディングなどにも対応。3本のヘキサゴンボルトを緩めてボルト装着位置を変更することで、高さを3段階に調整できる。
フロントカウルの左右上端部には、ハンドガードがボルト装着されている。その効果は想像以上で、直進走行時にハンドルグリップ部に当たる走行風を大幅に軽減している。なおバックミラーは、すり抜けしやすいハンドルマウント式だ。
左側に指針式の回転計、中央に同じくアナログ表示式の速度計、右側に多機能液晶パネルを配したメーターまわり。液晶部には、右手ハンドルスイッチを操作することで、瞬間または平均の燃費と最高速などを切り替え表示できる。
中央に太いトンネル部があるため、ライダーが足を置くためのフットボードはやや幅が狭い。大径ホイール採用機種ではあるが、前方にも足を置けるスペースがある。タンデムライダー用のフットレストは、折りたたみ式のバータイプだ。
燃料給油口は、フロアボードのトンネル部にある。燃料タンク容量は15.5Lだ。またこのトンネル部には、フロントタイヤ後方に配置されたラジエターを通過した温かい空気をライダーの足元へと送る、開閉式のダクトが設けられている。
シート下トランクには、標準的なサイズのフルフェイスヘルメットが収納可能(写真はSHOEI製Z-6のLサイズ)。ハーフ型ヘルメットなどを同時収納することもできる。内部には、自動ON/OFF式の照明と、DC12V電源ソケットを備える。
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