ヤマハ TMAX
ヤマハ TMAX

ヤマハ TMAX – オートマチックで楽しむ快感のスポーツライディング

掲載日:2009年04月16日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

フルモデルチェンジで進化する
オートマチック・スポーツ

1990年代半ばより、オートマチック・ミッションのバイクの人気が高まってきたことは記憶に新しい。大半のモデルは快適性を重視したビッグスクーターだったが、そんな市場に一石を投じるモデルが登場した。2001年にデビューしたTMAXはオートマチック・ミッションを搭載しながらスポーツバイクとしての性能を追求し、新世代の「オートマチック・スポーツ」として人気を博した。その後マイナーチェンジを重ねてパフォーマンスを高めていったTMAXだが、2008年にフルモデルチェンジ。スタイルを一新しただけでなく、新設計のアルミフレームを採用して生まれ変わったTMAXを、早速インプレッションしてみよう。

ヤマハ TMAXの試乗インプレッション

ヤマハ TMAXの画像

オートマチックで楽しむ
快感のスポーツライディング

スロットルを開けた瞬間、このバイクがいわゆる「ビッグスクーター」とは異なるバイクであることが、明確にライダーに伝わってくる。499ccの排気量を持つ水冷4バルブ並列2気筒エンジンはアイドリングこそ大人しいものの、右手に対するレスポンスやパワーフィールは一般的なオートマチック車とはまったく違う。うっかりスクーター感覚で加速してしまうと、すぐに強力に効くブレーキのお世話になるはめになる。最高出力は28kW(38PS)/7,000rpmとそれほど大パワーではないのだが、中速域で盛り上がるトルクのおかげで力強さは数値以上。高回転域での伸びも鋭いため、ライダーには大人の自制心が必要だ。前モデルと比較するとスペック的に大きな差は無いのだが、体感の速さは大きく違う。ライダーのアクションに対する反応がリニアなため、加速だけでなくコーナーリングやブレーキングも刺激的だ。タイヤサイズがアップしたこともあってさらにバンク角は深くなっており、右手の操作だけでエキサイティングな走りを存分に楽しむことができる。

ヤマハ TMAXの画像

もちろん、先代の良さであったコミューターとしての快適性もより進化している。顕著なのは高速道路の走行で、直進安定性や防風効果が格段に向上。中でもスクリーンは視界を妨げない高さでありながら、走行風の巻き込みも風切り音も少なく、長時間走行でも疲労感が少ない。ステップの形状も高速巡航時とスポーツライディング時で足の位置を変えられるように設計されており、どちらも無理のないポジションで楽しむことができた。少し気になったのはブレーキのフィーリング。モノブロックキャリパーを採用しているため制動力は高く、ハイスピードレンジからでも不安なく停車できるが、レバーの感覚はもう少し操作感が欲しいところだ。スクーターのように頼り無いわけではいが、ダイレクト感に少々物足りなさを感じた。それをおいても、TMAXの進化の度合いは大きい。よりスポーティな走行を楽しめる新世代オートマチック・スポーツとして、現時点でのひとつの完成形と言えるだろう。

ヤマハ TMAXの特徴は次ページにて

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