ゼロエンジニアリング ロードホッパー Type5 EVOの詳細写真
従来のハーレー純正エンジンに代わり、S&S社製エヴォリューションV80プロトスペシャルを搭載。100km/hまでの日常域を重視した低中速寄りのカム設定となっている。プロト製ガスケットを採用し、EVOの弱点だったオイル漏れを対策。
ミクニ製HSRキャブレターを採用するが、排ガス規制に適合させるため空燃比センサーや強制エア供給バルブなどをエキパイに装備。ECMで点火時期と吸気量を制御するハイテク仕様である。
EVOエンジンで特徴的な別体式トランスミッションはREVTEC製を採用し、シフトフィールを向上。サイドカバーにはZEROのロゴが刻印された特別仕様となっている。
2016年度からすべてのビッグツインモデルにリベラプリモ製のオープンプライマリー仕様が採用されている。安全対策のためメーカー出荷時にはオリジナルのカバーが付くが、隙間からは1次駆動のドライブベルトが高速で回転する様子が見え隠れして雰囲気を盛り上げる。
ロードホッパーにはビッグツイン系とスポーツスター系の2種類のエンジンがあり、それぞれ異なるサイズのフレームが用意されている。Type5にはシンプルで美しいシルエットが特徴のグースネックを採用。リアサスを持たない構造ながら、引き抜き材を使った独自のパイプワークにより、絶妙なしなり感と剛性を実現。
往年のハーレーに用いられた「74スプリンガー」のデザインを踏襲しながらも、材質と構造を見直した現代のスプリンガーを採用。継ぎ目のないスウェージングパイプを用いて作られた特別仕様のスプリンガーフォークは強度と適度なしなりを両立。
2対のフォークには伸び側1対と圧側2対の合計6本のスプリングが装備され、それぞれの動きを打ち消し合うことで制振させる構造。また、スライド軸には真鍮製のフリクションカラーが装備されダンパーの役割を担っている。
前後シングルディスクブレーキを装備。フロントについては従来型はハーレー純正だったが、新型ではブレンボ製にグレードアップし制動力を強化。スプリンガーもトルクロッドの位置の適正化により、ブレーキングによって多少ノーズダイブする仕組みになっている。
リジッドフレームの特徴がよく分かる部分。フレーム後端部に後輪の車軸が直接マウントされている。プライマリーがベルトドライブであるのに対し、2次駆動はチェーンドライブを採用。タイヤは前後とも5.00-16サイズだがハイトの高いバルーン形状のため外径は大きい。
自転車のようなシンプルな作りのサドル型シートを採用。2対のスプリングで支持され、これが路面からのショックを和らげる緩衝装置となっている。乗り心地もまあまあだ。
ピーナッツ型デザインが特徴的なアルミ製タンクは容量も8リットルと少なめだが、街乗り中心のクルージングであれば問題ないレベルと言えよう。デザインを優先したモデルということで納得。ちなみに燃料コックは従来の右側から左側に移設され使い勝手が改善されている。
ノスタルジックな雰囲気満点のフロントまわり。ヘッドライトやテールランプ、ウインカーにいたるまでガラス製レンズを使うこだわり様だ。