ゼロエンジニアリング ロードホッパー Type5 EVO
ゼロエンジニアリング ロードホッパー Type5 EVO

ゼロエンジニアリング ロードホッパー Type5 EVO – ワンオフとマスプロの利点を融合

掲載日:2016年06月14日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐川 健太郎  写真・動画/山家 健一  衣装協力/HYOD

ゼロエンジニアリング ロードホッパー Type5 EVOの特徴

ゼロエンジニアリング ロードホッパー Type5 EVOの画像

ビンテージへのこだわりを
現代の技術レベルで再現

Type5 EVOは、ハーレー系のアフターマーケット用エンジンビルダーとして名を馳せるS&S社製の空冷4ストV型2気筒OHV1340ccを、リジッドフレームとスプリンガーフォークを持つオリジナルの車体に搭載したロードホッパーの新型モデルである。

エンジンは通称「EVO(エヴォリューション)」と呼ばれるタイプで、本家ハーレーでは1984年~1999年にかけて搭載された仕様がベースになっている。しかしながら、単にオリジナルのエンジンをコピーするだけでなく、プロトが現代の技術水準でオーダーしたものであり、日常域での使い勝手を重視して低中速寄りのカムプロファイルに設定している。

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また、今回のトピックとしては従来のインジェクションに変えて、ミクニ製HSRキャブレターを採用していることがポイント。これは、「やはりキャブ車のフィーリングが欲しい」という、多くのユーザーからの意見を反映したもので、キャブレター独特のアナログ的な味わいを出しつつも、コンピュータによって空燃比や点火時期を制御することで排ガス規制を完全にクリアしている点が素晴らしい。

車体に関しては同シリーズの特徴でもある、リジッドフレームにスプリンガーフォークを組み合わせる手法を採用。リジッドフレームとは、現代のバイクのようなリアサスペンションやスイングアームを持たず、後輪軸がフレームに直接マウントされている構造のこと。40年代~50年代頃のクラシックハーレーなどに使われていた昔ながらの作りだが、シンプルで美しい外観から、いまだにカスタムシーンでは人気が高い。一方で、サスペンションを持たない構造のため、乗り心地や路面追従性に劣ると言われるが、そこはサイズや肉厚の異なるスチールパイプを組み合わせたり、強度と靭性に優れる引き抜き材を用いることで独特の“しなり”を持たせることで弱点を克服。乗り心地とハンドリングを高めている。

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また、フロントサスペンションにも同じくビンテージカスタムには欠かせないスプリンガーフォークを採用。2対のフォークの動きを6本のスプリングで制御する古典的な仕組みではあるが、こちらも特別な引き抜き素材を使い、真鍮製フリクションカラーなどを採用することで、テレスコピックに近い自然なフィーリングを再現するなど、現代的な走りに対応できるスペックが与えられている。ちなみに新型ではブレーキもブレンボ製が採用された。

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ディテールへのこだわりも特筆すべき。「グースネック」と呼ばれる独特のフレームワークと水平方向に一直線に伸びたマフラーが醸し出す優雅なロー&ロングシルエットに、前後16インチのバルーンタイヤとガラス製の灯火類を組み合わせるなど、ビンテージファンならずとも思わず見入ってしまう美しさ、完成度の高さが魅力となっている。

ロードホッパー Type5 EVOの試乗インプレッションは次ページにて

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