VICTORY ガンナー
VICTORY ガンナー

VICTORY ガンナー – モダンと挑戦を掲げる米国生まれの新鋭ブランド

掲載日:2014年12月05日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐川 健太郎  写真/山家 健一  動画/倉田 昌幸  衣装協力/HYOD

VICTORY ガンナーの試乗インプレッション

VICTORY ガンナーの画像

豊かなトルクを存分に楽しめる
軽快でスポーティな本格派アメリカン

ガンナー(GUNNER)とは元々は射撃手とか砲手の意味。全身を覆うダークグレーを基調とした抑えられた色彩が、まさに銃器のような凄みを放つ。それも、小銃ではなく大砲クラスだ。

ヴィクトリーとしては以前、ヴィジョンというフル装備のツーリングモデルに試乗したことがある。それがハイテク満載の巨大マシンだったので、今回のガンナーはそれに比べるとかなりスリムで軽快な印象だ。それでも300kgを超える車重、ロー&ロングな車体は近くで見るとさすがに大きいと感じるし、実際に取り回しも楽ではない。威風堂々のビッグアメリカンである。

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ストリームラインと銘打ったスタイリッシュなソロシートに跨ってみると、幅広なシートは収まりがよく、加速時にはバックレストが体重を受け止めてくれるので楽だ。ハンドルはかなり手前にプルバックされていて腕に余裕があり、ペダル類もミッドマウントコントロールの自然な位置にあるなど、操作性を重視したライポジとなっている。これなら小柄な体格でも十分に乗りこなせるはずだ。

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これ見よがしに車体の真ん中に鎮座した、剥き出しの巨大なVツインエンジンはその存在感だけで圧倒される。セルで始動すると身震いして目覚めるが、アイドリングでの振動は少なく鼓動のリズムは割と一定だ。同じ米国製アメリカンであるハーレーと比べずにはおれないが、あちらが不等間隔の3拍子とすれば、ヴィクトリーは等間隔の2拍子といった感じがする。

走り出してまず感じるのは力量感の凄さ。フリーダム106キュービックインチ(1,731cc)と名付けられた、巨大空冷Vツインが紡ぎ出すトルクは半端ではない。トルクの塊という表現では飽き足らず、まさにトルクの壁に弾き飛ばされるような勢いで加速していく。0-100km/h加速であれば、きっとリッタースーパースポーツよりも速いだろう。実は試乗中に雨が降ってきたのだが、発進時に濡れた路面でラフにスロットルを開けると、簡単にホイールスピンしてしまうほど。もちろん、トラクションコントロールなど軟な装備は一切付いていないので、人間に自制心が求められる。

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かようにワイルドな巨体トルクなのだが、これがクルージングでは一転して最高の友となる。街を流す程度では1500rpmぐらいしか使わないのだ。高速道路でペース走行しているときでも2000rpmも回していれば十分。ハイギヤードな6速オーバードライブを使って、柔らかな鼓動感に浸りながら、ゆったりと極上のクルーズを楽しめる。これぞビッグ・アメリカン・クルーザーの醍醐味である。

ハンドリングはこのクラスとしては軽快だ。ホイールサイズが前後16インチと小径で、タイヤも比較的細いこともあるだろう。軽いステップワークでレーンチェンジも楽々きまるし、ステップ位置が適度に高いため、普通にコーナリングしても擦ることはない。今回、ワインディングは走っていないが、きっと爽快な走りを楽しめるはずだ。ブレーキについてもタッチが分かりやすく制動力も信頼できるレベル。ただし、車重もありABSは付いていないためラフな操作は禁物だ。

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ハーレーとは一味違う個性を持った本格派アメリカンを求めたい人にはぜひおすすめしたいモデルだ。

VICTORY ガンナーの詳細写真は次ページにて

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