

掲載日:2012年02月16日 試乗インプレ・レビュー
『ヘイスト』 は空冷 OHV 単気筒 229cc エンジンを搭載するクルーザー。メーカー出荷段階からリジッド式のリアフレームを採用しているのが、最も注目すべきポイント。スタイリングは伝統的なボバースタイルを模したもので、チョッパーという言葉が生まれる以前から存在する、オーセンティックなバイクカスタムのスタイルが持たされており、その完成度はなかなかに高い。
メーカーである『クリーブランドサイクルワークス』はアメリカの企業だが、ヘイストの生産は中国の工場で行われている。企画から設計、品質管理をアメリカで行い、製造コストが安価な中国生産とすることで、250cc クラスとしては破格の30万円を切る低価格を実現していることでも話題となっている。
クリーブランドサイクルワークスは、2009年に設立された若いメーカーで、ヘイストは、その1台目のモデルとして登場している。他にもロードバイクやモタードなど数モデルをラインナップしており、そのどれもがスタイリッシュな個性溢れるマシンばかり。これらのモデルも日本導入を期待したい。
ヘイストの特徴のひとつが並外れた低価格であることに、疑問を差し挟む余地はないだろう。その低価格を実現している理由のひとつが、製造を生産コストの安い中国で行っていること、そしてもうひとつが開発コストの圧縮である。一説によれば、バイクの価格の内その半分が開発費だという。ヘイストは既存の部品を多用することで開発費を低減している。例えば、フレームは専用設計品であるが、主要コンポーネンツでありマシンのキャラクターに大きく関わるエンジンは既存品を使用している。そういった部品は車体のあちこちに見られ、メーカーの工夫と努力により、優れたコストパフォーマンスを実現しているのだ。
だが、ヘイストはコストパフォーマンスを最大のセールスポイントとしているわけではない。クリーブランドサイクルワークスには「バイクはスタイリッシュでなければならない」との哲学があるという。そのため、性能と安全性が確保できるのであれば、デザイン性を優先した設計が行われている。また使用されているパーツも、価格を考えれば十分以上のクオリティを持たされているのが解る。ポイントポイントにはクロームメッキ仕上げのパーツが配されていたり、前後ブレーキはディスクブレーキを採用するなど、ファッション性の面でも機能面でも、必要な部分には必要なコストがかけられているのだ。
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