ハーレーダビッドソン XL1200C
ハーレーダビッドソン XL1200C

ハーレーダビッドソン XL1200C – 復活した元祖ファクトリーカスタム

掲載日:2011年02月17日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

復活した元祖ファクトリーカスタム
以前とは違う個性と存在意義とは

スポーツスターファミリーの人気車種として長らく君臨してきた元祖ファクトリーカスタムが、装いを新たに再びフルラインナップ入りを果たした。クロームメッキを多く配したエンジン周りにオリジナルのハンドル周りといった本来の特徴はそのままに、16インチのファットタイヤや新デザインのテールランプなど、“今風”のプラスアルファを取り入れたブラッシュアップモデルとして復活。XL1200X FORTY-EIGHT のような個性派ファクトリーカスタムとは一線を画した 1200カスタムの存在意義とは何か、そして以前とは違う新たな特性はどこにあるのか。1200カスタム本来の魅力を探りつつ、インプレッションを行った。

ハーレーダビッドソン XL1200C 特徴

“ファットカスタム”という新テーマのもと
走りに重点を置いたツーリングバイクに

XL1200C 車両写真
XL1200C 車両写真
XL1200C 車両写真 XL1200C 車両写真

1200カスタムが登場したのが1996年、以来一度もカタログ落ちすることなくベストセラーモデルとしてラインナップを飾ってきた。クロームメッキで彩られたエヴォリューションエンジンは独特の高級感を漂わせ、さらには砲弾型ヘッドライトに独自デザインのライザー、ビッグツイン仕様のホーンなど、他のスポーツスターにはないオリジナルを各所に配したファクトリーカスタム、それが 1200カスタムだった。しかし XL1200N ナイトスターXL883N アイアン、そして FORTY-EIGHT といった個性的なカスタムモデルの登場によってその存在が薄まった印象は否めず、2011年フルラインナップから姿を消したのは致し方ない時代の流れか、とも思えた。ところが今回、2011年中期導入モデルとして鮮やかに復活、しかも以前よりもさらにその存在感を際立たせて、である。

核となるスタイリングの新テーマは“ファットカスタム”。FXDF ダイナ・ファットボブFLSTF ファットボーイ と続くカスタムスタイルの流れを汲んだフォルムで、象徴的なポイントとして注目すべきはフロントタイヤだろう。FORTY-EIGHT とお揃いのファットタイヤはリアと同じ16インチという分厚さで、それでいて装着しているタイヤはミシュランのラジアルタイヤ“スコーチャー31”。ビジュアル重視型の FORTY-EIGHT にはない走りを重視したアイテムをチョイスすることで差別化を図っているのが伺える。このファット化によってヘッドライト周りなどフロントエンドが太くなるわけだが、本来の砲弾型ヘッドライトを用いつつも新デザインの“アイブロー”ヘッドランプバイザーを導入して全体のバランスを整えることに成功。容量17リットルというワイドタンクと相まって、全体的に“太っちょ”な印象にまとめているのはさすが。さらに見逃せないのが新デザインのテールランプだ。小型ローメンテナンス LED テールライトは他モデルにはないオリジナルパーツで、ここをコンパクトにまとめることにより、まるでファットボーイのようなリアエンドを演出しているのだ。そして少々意外(?)だったのが、ミッドコントロールとされたステップ位置である。実は本国アメリカの 1200カスタムの仕様を見ると、従来どおりフォワードコントロールとなっている。確認したところ、これは「日本仕様というよりもアジア仕様という設定」(ハーレーダビッドソンジャパン広報)とのことで、1200カスタムのフォワードコントロールは FORTY-EIGHT のそれよりもさらに前に位置することから、アジアというエリアのニーズに合わせた変更だというわけだ。メーカーの思惑はともかく、ラジアルタイヤに大容量フューエルタンクと“ツーリング向けバイク”としてまとめられているだけに、ライディングフォームを安定させるミッドコントロールはライダーにとって有り難い限り。スタイルこそ“ファットカスタム”だが、スポーツスターモデルの中でもツーリングに重点を置いた一台だと言える。…この記事の続きをバージン・ハーレーで読む

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SPECIFICATIONS - HARLEY-DAVIDSON XL1200C

ハーレーダビッドソン XL1200C 写真

価格(消費税込み) =
[モノトーンカラー] 145万円
[ツートーンカラー] 148万1,000円

装いを新たに復活を遂げた元祖ファクトリーカスタム。2011年流のスポーツスターのベースモデルとなりうるか。

■サイズ = 全長2,220×全幅845×全高1,140mm
■ホイールベース = 1,520mm
■最低地上高 = 112mm
■加重時シート高 = 668mm
■ボア×ストローク = 88.9mm × 96.8mm
■最大トルク = 88Nm / 3,500rpm
■タンク容量 = 17.0L
■燃費 = 24.2km/L(ハイウェイ)/ 17.9km/L(市街地)
■エンジン = Evolution (インジェクション)

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