掲載日:2012年02月17日 バイク用品インプレッション
撮影・文/山下 剛
スポーツ走行の醍醐味のひとつは、クローズドサーキットでのタイムアップだ。明確な数値となって表されるラップタイムは、自分にも他人にもはっきりとわかるライテクの証だ。
しかし正確なラップタイムを計測するにはトランスポンダーが必要で、計測設備のない小さなサーキットでは手押しのストップウォッチしか頼れるものがない。もちろんこれでも十分に計測できるが、もっと正確に、そして手軽にラップタイムを測れるのならそれに越したことはない。
そうした望みを叶えてくれる新製品がこのラップタイムメーターだ。GPSを内蔵しており、位置計測をすることでコントロールラインがないサーキットでも、正確なラップタイムを計測できるというハイテクメーターだ。
しかもさらにうれしいのは、煩わしい配線は一切不要という点だ。GPS内蔵のメーターをハンドルバーに取り付けるだけで、あとはスタート地点をセッティングするだけ、という手軽さだ。取り付けはMD60 LOGをそのまま収納できるバーパッド(ハンドルブレース用、テーパーハンドル用の2種類がある)を使えば、工具を使うことなくベルクロ留めするだけ。この手軽さは何物にも代え難い。
本体の操作については、操作ボタンがわずかに2個のみなので、ひとつのボタンの役割がいくつかある。そのためマニュアルにひと通り目を通す必要があるが、計測開始地点の設定をするだけなので、それほどむずかしくはない。むしろ、一度セットしてしまえば、あとは自動で計測が開始されるので、操作はカンタンだ。
区間タイムの計測も可能で、任意の地点でボタンを押せば、1周につき4か所まで登録可能だ。ちょっと驚かされたのは、一度設定したサーキットは本体が記憶しており、日を改めて訪問したときでも自動でタイム計測をしてくれる点だ。GPSデータを参照することで、場所を自動特定しているのだ。
記録したラップタイムは、パソコンにデータを取り込んで解析することもできる。GPSによる軌跡も記録されるため、コース全体図を参照しながら区間ごとの弱点を見極めることもできる。客観的なデータによる冷静な判断ができるため、確実なタイムアップにつながる。トランスポンダーにはできない、GPS内蔵ラップタイマーだからこそ可能なタイムアップ術だ。
防水機能も備え、耐衝撃性も考慮された設計なので、安心して使えるのも見逃せない。バックライト付きの液晶画面は視認性もよく、大きく表示される計測タイムは走行中でも瞬時に確認できた。
マウントさえ工夫すればロードレースでも使えるし、前述したようにトランスポンダーのないサーキットを使うことが多いモタードやモトクロス、はては河川敷での練習走行でも使える活用範囲の広さが魅力だ。
モタードやモトクロスマシンなら、本体を収納した専用バーパッドをハンドルに取り付けるだけで、装着はいたって簡単だ。ブレース付きハンドル用とテーパーハンドル用がある。
白色バックライト付きの液晶ディスプレイは視認性がよく、必要な情報を一覧できるレイアウトになっている。本体右側にはLEDランプが並び、設定完了時やスタートライン通過時に明滅する。
本体の操作は2個のボタンで行う。上にあるボタンは電源オン/オフと決定、下のボタンがカーソルやメニュー移動となっており、シンプルな操作だから直感的に使える点もうれしい。
バイクへの取り付け用ホルダーは、ブレース付きハンドル用の「スタンダードバーマウントキット」(6,300円)とブレースのないハンドル用の「ファットバーマウントキット」(5,250円)がある。
付属するソフトウェア「MX2 LITE」を手持ちのWindowsパソコンにインストールすれば、走行データを解析できる。コース図を見ながら区間スピードを検証でき、タイムアップにつながる。
ラップタイムモニターの他に、GET製品で便利なのが「C1エンジンアワーメーター」(6,300円)だ。両面テープなどでバイクに貼りつけ、振動を検知してエンジン稼働時間を記録してくれる。
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