レトロバイク・グラフティ第37回 SUZUKI STREET MAGIC50(スズキ ストリートマジック50) 1997年

掲載日:2020年08月07日 レトロバイク・グラフティ    

イラスト・文/藤原かんいち

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スクーターとスポーツバイクがクロスオーバーした個性派

1990年代に入ると原付クラスは、面倒なクラッチ操作もなく、ギアチェンジもない、荷物もシート下に入れられる、簡単で便利に使えるスクーターが中心になっていた。さらにそのスクーターも、主婦向けから、スピードの出るスポーティなモデルまで細分化、目的に合わせた様々な種類がラインナップされるようになった。

1997年、そんな時代に突然現れたのがスズキのストリートマジックだった。跨って走れるスポーツバイクスタイルなのに、パワーユニットはスクーターという、ニュースタイルのバイクが登場したのだ。スクーターと違ってタイヤ系が大きく、さらにニーグリップができるためハンドル操作や体重移動が安定、それなのに煩わしいギアチェンジやクラッチワークは必要なし。まさに両方のいいとこ取りのバイクだった。

実は載せていたエンジンもなかなかパワフルで、空冷2スト単気筒エンジンなのだが、メーカー自主規制値の7.2馬力を発揮。他のスポーツバイクと遜色のない走りを見せていたという。

美しい曲線を描くチャンバーのアップマフラー、シャープで細身のガソリンタンク、個性的なフレームワークなど、デザインの個性も光っている。スタイルとポジションはオフロード的なのに、タイヤはロード系でフロントはダウンマフラー…… あれ?これはもしかして、モタード?(笑)。とにかく何もかもがクロスオーバーな「ストマジ」。20年以上前に発売されたバイクなのに、いま見ても面白い。乗ったらきっとさらに面白い、人にいろんな魔法にかけてしまうバイクなのである。

スズキ ストリートマジック50 スペック
  • ■サイズ/全長 1635mm×全幅 710mm×全高 965mm ■車重/73kg ■エンジン/2ストローク単気筒 ■排気量/49cc ■最高出力 7.2ps/7000rpm ■最大トルク/0.82kgf・m/6000rpm ■変速機形式/Vベルト式・無段変速

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