POWER BUILDER GSX1100S(スズキ GSX1100S)

掲載日:2020年04月19日 プロが造るカスタム    

取材協力/パワービルダー
記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2018』に掲載された内容を再編集したものです。

POWER BUILDER GSX1100S(スズキ GSX1100S)のカスタム画像
POWER BUILDER GSX1100S(SUZUKI GSX1100S)

フレーム単体から組んだ
17インチコンプリート

カタナでTOTモンスタークラスに参戦しているパワービルダー。この車両は同店がそんなレースから得たフィードバックを元に、パーツ単体から用意して組み上げたコンプリートマシンだ。

「オーナーさんは元々GSX-R1000に乗っていた方なんですが、地元にウチで組んだカタナが3台くらいいたんですね。その走りを見て、というのがコンプリート製作のきっかけです。パワーはノーマル+α、乗りやすくて、なおかつきちんと速いという、パワービルダー的ベーシック仕様になってます」(パワービルダー代表・針替さん)

大筋としてのコンセプトはその通り、実際の細かな部分の仕様は、いわゆる「お任せ」で、その意味でも、パワービルダーのカタナに対する考え方がよく分かる1台だ。

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メインフレームはカタナ純正を11カ所補強、さらにワイドタイヤ化で外側に出るドライブチェーンの干渉に対処すべく、インライン処理も施す。エンジンはGSF1200用油冷に換装しているが、これも全バラ状態にした上で重量バランス、メタルクリアランス合わせなど、精度にこだわって組み上げている。

変更点はカムをヨシムラ製ST-1に変更したのと、圧縮比を若干上げるための面研を施したくらい。とは言え、エンジンそのものの変更と吸排気系チューンによってパワー、トルクとも確実に向上している。 このエンジン部分は、むしろパワービルダーの最も得意とするところ。車体面のポイントはと言うと、一見意外な答えが出てきた。

「カタナって車体姿勢やアライメント、サスペンションのセッティングなどをきっちり詰めていくと、ものすごくよく曲がるんです。リア車高は上げない方がいいとか、タンデムステップステーも切らずに残すべき、という人も多いんですけど、そんな思い込みで損をしている部分も大きいんじゃないかと思うんですよ。

ハンドリングの基本はリアステアで、アップハン仕様にすると、じつはさらによく曲がります。ウチのカタナ改にアップハンが多いのは、じつはこれが理由(笑)。あと油冷エンジンはカタナノーマルの空冷エンジンよりも軽いので、エンジン換装は軽量化にもなります。これも隠れたポイントかもしれないですね」

ちなみにセパレートハンドル仕様の場合は、ハンドルバーがクランプ部分の前側にオフセットしていないもの(ヤマハ純正などはこれに相当する)がよいとのことで、この車両ではφ43mm正立フォークに合うヤマハ純正品がなかったために、イタリア製のハンドルを装着している。つまりポジション、前後荷重バランスもハンドリング性能に大きな影響を及ぼすということなのだ。

カタナ改の定説を覆すアプローチにトライし続けているパワービルダー。だが、ここでも目指すところはより良いハンドリングと、まったくブレていないのである。
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詳細写真

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ハンドルは通常のセパハンよりハンドル位置が1本分手前側に来るものをチョイス。フォークはZRX1200後期型純正のφ[37→]43mm正立タイプで延長キットを組み合わせることでフロント側車高を確保している。フロントマスターシリンダーはゲイルスピード・ラジアル。

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3.50-17/5.50-17ホイールはO・Z製PIEGA。前後ブレーキも削り出しブレンボキャリパー+サンスターディスクと走り重視のハイグレード仕様だ。EXはカタナ+油冷エンジン用のオリジナル。

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リアアームはテクニカルワークス製でリヤショックはオーリンズ。前後車高バランス、ディメンションなどは17インチ仕様に最適化される。

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エンジンは全バラ→各部重量/寸法などをきっちり合わせたO/H+α仕様。

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キャブレターはTMRφ40mm。今後のボアアップ、ヘッドチューンなどにも腰上だけの分解で対応できる仕様となっている。O/Cもラウンドタイプの大容量16段だ。

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アルミ削り出しによるステップも同店ワンオフ。

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フロントカウルはドライカーボン製に変更されている。メーターはGSX-R1100純正、トップブリッジもアントライオンに変更するなど、コクピットもカスタム感あふれる仕上がり。

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