球磨川快走ルート

掲載日:2008年10月28日 ツーリング情報局九州エリア    

熊本から宮崎まで
秋の球磨川を走ってきました

みなさん、元気に走られていますか? 夏の高い雲もいつのまにかどこかへ去り、横っ広の空が見えてくると同時にいきなり朝晩冷え込んできましたね。秋なんかは暑くもなく、寒くもなくで、ツーリングシーズンと言われますが、昼夜の気温差が激しく、何を着ていこうか一番迷うシーズンでもありますね(笑)。さて、今回は宮崎県都城市で行われたバイクミーティング『霧の蔵』にキャンプをしてきましたので、そこまでの道中の熊本県南部を流れる球磨川沿いと、宮崎県との県境の快走ルートをご紹介したいと思います。

イメージスタート地点は熊本県の北部、有明海沿いにある長洲港にしましょう。長洲港からはお隣の長崎県の島原半島にある多比良港とフェリーが往復しており、長崎へのアクセスが安価にそして、短時間で可能になっています。長崎から熊本へ、または熊本から長崎方面をツーリングされる方は是非一度、利用されてみることをオススメします。長洲港からは国道501号を熊本市内方面にひたすら走りましょう。最初はのどかな直線道路、途中から有明海、遠くに雲仙普賢岳を眺めながらのシーサイドロードに変わります。写真はこのあたりの国道501号を別の日に少し上方から撮影したもの。八代市内までのルートとして、一番シンプルなのはそのまま宇土市で国号3号に合流し、そのまま下ることですが、途中交通量が多いこともあるので、今回は県道を使ったアクセスを紹介します。面倒な方は松橋ICから八代ICまで一区間だけ高速を使われるのも楽でしょう。宇城市松橋駅の近くから南方に走る県道338号を利用すると国道3号の西側を平行する形で渋滞なく八代市内まで向かうことができます。

イメージ八代市内に入ってからの国道219号が今回のメインルート。日本三大急流の一つでもある球磨川は、八代市内側の下流域では写真にもあるようにとても穏やかな表情を見せてくれます。はじめは川を左に、途中から橋を渡り右側にまだ穏やかで、幅の広い球磨川を眺めながら国道219号を人吉市に向かって上っていきます。のどかな川を眺めながら、信号も少ないこのルートは、私にとって熊本県内の中でもお気に入りの道です。この日は残念ながら青い空が顔を出してくれることはほとんどなかったですが、それでもエメラルドグリーンの透き通った川の色を眺めるだけでも、どことなく贅沢な気分にさせてくれます。

イメージしばらく走ると、美しい球磨川とはいったんお別れ。お別れといっても国道219号がぐんぐんと高度をあげ、走っている最中は高度差があり過ぎて見えないだけなのですが、そのままバイクを走らせます。途中コンビニなどが無い代わりに、「球泉洞」という洞窟がある場所にちょっとした休憩スポットがあります。真夏の暑苦しい時期などには少し立ち寄って、冷房いらずの洞窟の中で身体をクールダウンするのもいいでしょう。ただし、このツーリングを行ったのは10月下旬。立ち寄るのはよくても、洞窟内に入るわけがありません(笑)。球泉洞を通過し、しばらくすると国道219号の高度に追いつき、ガラリと表情を変えた球磨川が再び目の前に現れます。岩にぶつかり、水しぶきをあちこちで上げる上流域のその荒々しさと雄大さを眺めれば、誰もが日本三大急流であることもうなづけるでしょう。ぜひ、この絶景はご自分の目で確かめてください。ときには球磨川急流下りのラフティングを楽しむ団体と出会えることもありますよ。

トンネルを抜けるとそこは絶景
熊本~宮崎の県境のルート

イメージ球磨川の変化を楽しみながら快走できる国道219を満喫したあと、人吉市内で国道221号へシフトし、宮崎県小林市方面へ向かいましょう。人吉市内を抜けると、また信号が無くノンストップで流せる高速ワインディング。左手に現れる人吉ループ橋をぐいぐいとバイクを傾け続けながら上り、自らが通ってきたルートを見下ろせるのは、新鮮です。ループ橋を攻略し、上りのワインディングをまた少し走るとトンネルに入ります。長めのトンネルを抜けるとそこはもう熊本県ではありません。宮崎県えびの市です。それまでのトンネルの圧迫感から解放され、目の前に広がるえびの高原、霧島山、高千穂峰などの開けた風景があなたを迎えてくれます。

イメージこの道で私が宮崎県に初めて入ったのはもう4年以上前のこと。学生時代の友人と2台で走っていたときでした。その時は雨で、寒い思いをしながら走っていたのですが、この絶景を初めて目にしたとき、思わず雄たけびを上げてしまったのを今でも覚えています。この一般道と平行して、さらに長いトンネルが高速道路として走っているのですが、高速道路でもこの開放感は味わうことができますので、両方おススメできますね。残念ながらその絶景の写真はありません! 球磨川の急流同様、それは是非、ご自分の目でお確かめください(笑)。写真などで客観的に見るより、バイク乗りにしか分からない、五感を使ってその風景を感じてもらいたいですね。

信号がない快適な広域農道
みやまきりしまロード

イメージ絶景を見ながら峠を下り終わると、三叉路にぶつかります。左に曲がるとそのまま国道221号、右折すると国道268号です。いったん目指す方向とは逆になりますが、右折して、「えびのIC」方面に向かいましょう。えびのICの手前に、左折すると県道30号線に入る道があります。そこを左折し、県道30号線をしばらく道なりに走ります。右側に小さめのENEOSがあるのを確認してから、しばらくゆるやかな坂を上ったところにある交差点を左折。『みやまきりしまロード』という広域農道に突入です。さきほどまで走っていた、国道221号をそのまま走り続けるだけでも都城にたどり着くことはできるのですが、信号も多い国道に比べ、この広域農道はノンストップで国道に平行する形で都城付近まで走り抜けることできるので、この『みやまきりしまロード』を是非走っていただきたいですね。信号が無くアップダウンとほどよいカーブが続くので、スピードの出し過ぎに注意しながら走り続けると国道223号にぶつかります。右折して国道223号を走ると間もなく御池という、少し大きな池があります。池の奥にそびえ立つ山は高千穂峰。駐車場もあるので、そこで一息つくのもいいでしょう。そこからもう少し、国道223号を走ると、左折すると県道45号線に入ります。ここも交通量少なめ。この県道はこのツーリングで初めて走ったのですが、なかなか快適な道のりでした。そのまま県道45号線を走り、九州の芋焼酎として有名な『霧島』を世に送り出す、霧島酒造の敷地内で行われるイベント『霧の蔵MTG』に参加しました。会場に入りしばらく経つと、写真にもある秋を感じさせる横広の雲に沈み行く太陽。本日のツーリングに心地よくピリオドを打ってくれました。

心地よく、そして短い秋が終わり、我々バイク乗りにはまた厳しい冬がもうすぐにやってきます。北海道や東北、そして日本全国の山地にお住いの方は、バイクは完全にオフシーズンのもどかしい季節になると思います。幸いにも、九州はこれまで紹介に登場する阿蘇などの凍結してしまう山地を除き、走れるところはたくさんあります。次回より、冬でも楽しめるツーリングルートをご紹介できればと思います。それではみなさん、引き続き事故には注意して、ツーリングを楽しんでくださいね!

スポット紹介

有明フェリー

URL/有明フェリー

球泉洞

URL/球泉洞

霧島酒造 霧島ファクトリーガーデン

住所/宮崎県都城市志比田町5480

電話/0986-21-8111

URL/霧島酒造 霧島ファクトリーガーデン

TAK
プロフィール
TAK

25歳。熊本県在住。リトルカブからバイクライフをスタートさせ、現在はハーレー「FXDL」に乗る。平日に仕事をこなしつつ、走行距離はここ数年平均して年2万kmを越え「バイクがあればメシ抜きでもいい」とストイックに走る日々。

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