滋賀 春の陽気を求めて

春の陽気を感じる季節に是非訪れたい、滋賀・東近江から湖北へと巡る旅を走ることにしました。

まずは名神高速八日市インターから北へ。県道 327 号を経由して国道 307 号で彦根を目指します。途中、多賀の辺りでしょうか、進路左手に気配を感じたのです。なぜか D51 が放置されているじゃありませんか。彦根にある BMW 正規ディーラー オートショップフタバ に立ち寄り、店長の田中さんにこの D51 のことを聞いてみたところ、以前は「SLパーク」という施設があり、地元のライダーの“とまり木”的な場所だったのだとか。

「もったいないなぁ」などと思いながらショップを出立、国道８号に合流しさらに北へ向かいます。戦国時代から栄えた城下町、彦根～長浜と走り繋ぎます。旧高月町に入ったそのときに、風光明媚な景色のなかに突如として異彩を放つ建物に遭遇しました。「ここ、近江のはずやねんけどなァ～。でも、まるで南ドイツのような眺めやしなぁ？？」と不思議に思い、その集落に近付いてみます。ゆっくりと集落に入り、教会らしき建物の前に立つ。へ？　この建物が公民館？？　通称“ヤンマー会館”。この地の出身という英雄であり、“小型ディーゼルエンジンの父”と称えられたヤンマー発動機の創業者、山岡孫吉氏が私財を投じ、ドイツゴシック様式の建物を地元に寄贈したというのです。ドイツに所縁のある偉大なる先駆者の粋な贈り物。一見の価値があります。

長浜市東阿閉にある、東阿閉公民館。通称“ヤンマー会館”。この地に生まれたヤンマー発動機の創業者 山岡孫吉氏は、地元への恩返しとして、このドイツゴシック様式の公民館を寄贈したそうです。まさに東近江の異空間。

空腹を満たすべく、「ナニかイイ店ないかな～♪」と走っていたら、駐車場にバイクがたくさん止めてある店を見つけました。あ～、ここがウワサに聞く『びわこ食堂』ですか。店内に入りホルモン鍋をオーダー。鍋の上にうず高く盛られた白菜に驚きました。味噌仕立ての出汁が冷えた体に沁み渡ります。野菜もたくさん食べられてナイス！

木之本を過ぎて国道 365 号を北へ。余呉の辺りで不思議な景色に出会いました。国道沿いにプラットホーム？　不思議に思い地元の方に聞いてみると、昭和三十年代の頃までこの道の上に旧国鉄の北陸本線の軌道が通っていたそうです。その名残で、国道沿いに、この中之郷駅のプラットホームが残っているのだとか。ここから柳ヶ瀬へと続く上り坂を、蒸気機関車が毎日走り続けていたと思うと感慨深いですね。

その柳ヶ瀬で国道を逸れ、旧北陸本線の風景を残す柳ヶ瀬トンネルを抜けて敦賀へと向かいます。帰路に着く前に、バイク仲間のカオリちゃんに教えてもらったスイーツの店に寄ってみよ♪　と、県道 225 号の関峠の近くにある『野坂茶屋』にてスイ～ツたいむ。帰路のエネルギーを補給すべく、パフェをオーダー！　さり気なくきなこの風味が効いていて、まろやか～♪　さあ、ここから国道 27 号までは峠を越えて、すぐそこだ！

長浜市は旧高月町にある『びわこ食堂』の名物は、野菜が“てんこ盛り”で出てくる鍋料理。