吉野~十津川村

掲載日:2006年09月28日 ツーリング情報局関西エリア    

修験道の総本山を抜け
十津川村へ足を向けます

お久しぶりです。さとしです。

体調不良のためツーレポを休んでおりましたが、体も癒え、今回から復活いたします!

さて、今回の関西レポートの舞台は、奈良県のほぼ中央に位置する「大峯山」周辺です。ルートは吉野町国道169号線をスタートし、高原洞川林道から県道21号線、53号線へと走って国道168号線に抜けて、道沿いにある「谷瀬の吊り橋」を目的地とします。スタート地点の国道169号線へは、阪和自動車道「美原ジャンクション」から南阪奈道路「葛城I.C.」を経て、165号線を(高田バイパス)橿原経由で走ると、1時間ほどで到着します。これから走るルートには、吉野熊野国立公園内にある「大峯山」沿いの林道が含まれ、すばらしい景観が楽しめます。また「大峯山」は日本百名山のひとつで、いまだに日本で唯一、女人禁制を貫く修験道の総本山となっています。超硬派で知られるさとしにとっては、もってこいのツーリングスポットです(…)。では出発しましょう。

イメージ桜が有名な吉野山(今回走ったのは11月なので、桜は咲いていませんでしたが)を横目に国道169号線を南に下っていくと川上村に入ります。国道169号線は充分な道幅があり、気持ちよく疾走することができる快走路です。しばらく走っていると「道の駅 杉の湯 川上」があり、そこから天川村に抜ける「高原洞川林道」がでているので右折します。高原洞川林道は、さすが林道だけあって道は細く険しく(小石等の障害あり)大型バイクで走るのはやや困難かもしれません。国道169号線の道幅を恋しく思いながら、うねうね道を頑張って走りましょう。しかし、1200メートル級の山々の間を抜けていく高原洞川林道はまさに秘境! 走り抜けるは大変ですが、後に見えてくる景色は「すばらしい」の一言です(山の景色を見すぎて事故しないようにして下さいね)。この道を抜けると、ようやく大峯山の登山口が見えてきます。

さらに進むと、県道53号線に合流。十津川村(ちなみにここは日本一面積が大きい村です)に向けて県道53号線から国道168号線へと向かいます。が、これもまた厳しいワインディングで道幅が狭く、車も結構多いため、この道は正直フラストレーションがたまります。もうお気づきかも知れませんが、とにかく山だらけなので、かなり寒いです。服を5枚ほど着ていますが、とにかく寒い! 寒さで手がかじかみ、クラッチを操作することが辛くなってきます。暖かい珈琲が欲しくなってきました。

予想を超える迫力
日本最長「谷瀬のつり橋」

イメージさて、県道53号に入ってから休憩を含むと2時間30分かけて、ようやく「谷瀬のつり橋」に到着です。いやぁ、感動しました! やはり日本一高いつり橋だけあって、スケールが違います。ここまでの寒さ、ワインディングの多い道、よく耐え抜いて到着したなぁ…と感慨もひとしおです。おっと、肝心のつり橋はですね、そもそもは生活用のつり橋として近隣の住民にごく当たり前に使用されていたようです。ただ、日本最長のつり橋であったため、今は観光名所となっているのだとか。そんなマメ知識を持って訪れたので「日本最長といっても、たかがしれているだろう」そう思っていましたが、生で見るつり橋はとにかく高い! 早速、渡ってみると足がすくんでなかなか前へ進めません。風が強い日だったためか横揺れもひどく、下をみるとはるか下に川が流れており尋常な恐怖感ではありません。つり橋は300メートル近くの全長を誇るので、まさに無間地獄。高所恐怖症の私としては、「どんだけ長いねん!」と、突っ込まずにはいられません。ちなみに、地元の人はカブで渡るらしいのです。しかも雪が積もる冬でもカブで渡りきるそうです。さすがは修験道の総本山です。日々是修行の精神ですな。

一日の疲れをぜんざいで癒し
夕暮れ時に帰路につきます

イメージつり橋をなんとか渡りきり、精神的にも肉体的にもグッタリ。そんな時、疲れた体を癒すのは、やっぱり甘いモノでしょう! つり橋を離れ、ふらりと立ち寄ったのが国道沿いの茶店「蕎麦甘味処 風庵」です。蕎麦がおいしいそうなのですが今回はぜんざいを注文。ほどよい甘さで、小豆が少し苦手な私でもおいしくいただけました。疲れを取るにも、体を温めるにもちょうどよいので是非お立ち寄り下さい。そうそう、疲れをとるといえば、このあたりは「陀羅尼助」発祥の地でもあります。ご存知でしょうか?「陀羅尼助」は健胃整腸薬なのですが、原料はキハダというみかん科の樹木の皮で、このあたり一帯には昔から沢山自生していたそうです。この皮を煎じてドロドロの液体を作り、乾燥させたものが「陀羅尼助」なのです。もともとは修験道の山伏が作ったお薬なんだそうですよ。

さて、スタート地点から吊り橋まで、ざっと100キロです。疲労感的には、その数倍走った感じですが、「走りがい」という意味では満足が行くものでした。今回は日帰りで、これから帰途につきますが、つり橋から大阪市内までだと3時間ほどはかかります。同じ道はつまらない、という方は少し南下し、和歌山県の白浜まで出るのもいいかもしれません。夕暮れの海沿いの景色を楽しみつつ大阪方面へ駆け上がるのもオススメです。また、こちらにお越しの際は、一泊ツーリングを考えてもいいでしょう。そのまま南下し、那智勝浦の方に抜けることもできます。日本三大名瀑の「那智大滝」や海の幸を堪能できますので時間に余裕があれば立ち寄ってみてください。

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

蕎麦甘味処 風庵

電話/0746-68-0700

住所/奈良県吉野郡十津川村村上野地345-13(吊り橋から徒歩3分)

時間/平日/11~16時 日曜/11~18時

休日/水曜定休

十津川村Webサイト「谷瀬のつり橋」

電話/0746-62-0001 (十津川村観光課)

URL/十津川村Webサイト「谷瀬のつり橋」

バイクブロスマガジンズ編集部
プロフィール
バイクブロスマガジンズ編集部

編集部スタッフによるバトンタッチ形式のレポートです。ターミー('97 XL1200C)は大阪、奈良、和歌山北部、佐藤('96 FXSTC)は兵庫県、和歌山県南部、田中('02 FXDL)は京都、滋賀をレポートいたします。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索