徳山ダムへ

掲載日:2007年04月28日 ツーリング情報局東海エリア    

揖斐川の快走路を北上
徳山ダムを目指します

はじめまして、三重県在住のTomyと申します。

以前、関東エリア担当だった“トミーさん”ではありません、別人です(笑)。今回から、三重近辺エリアのツーレポを私“Tomy”が担当させていただきます。私は普段XL883Lというハーレーに乗っているのですが、編集部の方からこのような重要な任を拝命したため「今後は高速道路も多用することになるのかなぁ?」と都合の良い理由を付け、調子に乗って風防装備とボアアップをしてしまいました。このパワーアップした愛車で、みなさんが少しでも行ってみたいなぁと思っていただけるようなスポットを紹介できればいいなぁと考えています。では第1回の中部ツーリングをスタートすることにしましょう!

イメージまずスタート地点ですが、今回はココ、全国で9番目の国営公園「木曽三川公園」からスタート。この「木曽三川公園」は、治水タワーをメインに立田大橋、長良川大橋、油島大橋沿いの長良川と揖斐川の間にあって、この地方のライダー達なら知らない者はいないというぐらい有名なライダー憩いの場なんです。朝はツーリングの集合場所に、夕方は解散場所に、また、ソロの方も他のライダーとのコミュニケーションを求めて集まってきます。まだ、行ったことのない方、他府県から近くへお越しの方は、ぜひ一度お立ち寄りください。きっと誰かから話しかけられると思いますよ。今回のツーリングは揖斐川をどんどん上っていくコース。現在建設中の総貯水容量日本一のロックフィルダム「徳山ダム」を目指しましょう。

イメージまずは木曽三川公園から揖斐川沿いに堤防を走って行きましょう。この堤防沿いの道路は本当に気持ちの良い道路です。信号があるのは川にかかっている橋があるところだけ。ついついアクセルを開け気味になるところですが、雄大&壮大な景色を楽しみつつ、エンジンと語り合いながらまったりと走ってください。たまにツーリング目的じゃない白いバイクやパンダのような車が堤防の陰で休憩していますから…(笑)。しばらく走っていきますと、左前方に福束大橋という大きな橋が見えてきます。ここで初めて左折します。そして橋を渡ったらまたすぐに右折して引き続き川沿いに上って行きます。川をどんどん上っていきますと川幅もかなり細くなってきて国道417号線と交わるところに差し掛かりますので、そこを右折して今度は417号線を北上し、徳山ダムに向けて走ります。

お城の中にプラネタリウム
時代設定が妙な観光地

イメージどんどん北上していくと連続して長いトンネルがいくつかあり、トンネルを抜けたところに「恋のつり橋」なんてのがありました。休憩地点直前なのですが、ちょっと缶コーヒーなど飲んで景色を見ちゃいましょう(もちろんつり橋の往復しましょうね)。その後、再び道の駅「星のふる里ふじはし」に向かいます。ここ藤橋は、美しい星空で有名な地。澄んだ空気が生み出す満天の星空からこの名前はつけられたようです。ちょっとお昼には早いようですが、ここで食事をすることにしましょう。というのもここを逃すと食事場所はあまり無いようですから…。レストランと蕎麦屋(藤橋庵)がありますが、やはりここではお蕎麦でしょう。700円位が中心のメニューですが、お腹を満たしたい方は大盛りもできますし、別におにぎりも一緒に注文できます。味も結構いいですよ! 2007年4月28日から、この道の駅に町営温泉施設「いび川温泉 藤橋の湯」がオープンします(走ったのはオープン直前でした・笑)。泉質はアルカリ性単純温泉で、神経痛や冷え性に効果があり、自然に囲まれた露天風呂は絶好のロケーションとのことです。温泉までオープンしてライダーには嬉しい道の駅になってくるでしょうね。さて、お腹も充分ふくれ、休憩も十分できたので、川を上流に向かってスタートしましょうか。

イメージ途中からやや狭い道になりますが、一応車線は分かれていますし、バイクなら気持ちよく走れるクネクネ道です。気持の良いワインディングを越えて、新緑の中を駆け抜けて行くと、普段の生活とは違った別世界にいるような気持ちになります。路面の砂と対向車両に注意しながら横山ダムを越えて10kmほど走って行きますと、小高い丘の上にお城とドームというミスマッチな風景が見えてきます。周りには茅葺きの民家もあり「一体、ここの時代設定は何時代なんだ?」というような異様な風景が眼前に広がってきます。ここが「藤橋城&藤橋歴史民俗資料館」です。この藤橋城は、外観は普通のお城なんですけど中は1階がプラネタリウムになっているという全国でも珍しい施設。リクライニングシートに座って満天の星空を見ながらツーリングのひと時を過ごすのもいいですね。時間に余裕のある方は歴史民俗資料館の方にも寄ってみるのもいいでしょう。実はここ、約250年前に立てられた茅葺きの民家を移築・復元したという建物が並び、当事の生活の様子を再現しているんですよ。

近日完成するダムを眺め
複雑な気持ちを感じる

イメージ星空を見た後は、川をさらに上流に向かいます。そして、長いトンネルをいくつか抜けるとついに徳山ダムに到着! このダム、完成すると日本最大級のロックフィル式のダムになります。なだらかな斜面を形成したダムはスケールが大きくてとても写真の画面に入りません。このダムができる地域、旧徳山村には、かつて8集落があり、532世帯1639人が住んでいました。村の人たちは村総面積の98%が山林という環境の中で、厳しい生活条件と闘いつつ農業や山林業を生業にしてたくましく生活してきました。しかし、1957年にダム建設の話が持ち上がり、1980年代前半にはほとんどの住民が移住。1987年3月をもって徳山村は忽然と地図から消え去ったと言います。最近になって、ダム建設の是非と自然破壊との関係が問われ始めましたが、ダム建設によって立ち退かざるを得なかった住民の方々の心中を思うと…。徳山ダムを見ながらダムの底に沈む村で生活をしていた方々の淋しさを感じてしまいました。ただ、このダム建設は豊かな水に育まれながらも、水害に苦しめられてきた岐阜県西濃地区の流域住民の悲願だったのです。平成19年度にはダムが完成とのことですから、もうすぐ全てがダムの底に沈んでしまうんですよね。偉そうに賛成とか反対という資格も立場もありませんが、失くした後で取り返しのつかないものがあったということだけは避けて欲しいと思っています。

イメージ本当は、ここから国道303号を滋賀県の木之本に抜けて走りたかったのですが、4月25日まで通行止めだったため、今回は距離的には少々短い距離のツーリングになってしまいました。でも、これからの季節ここを訪れる方は滋賀県に抜けるルートもお勧めですので、ぜひ行ってみてください。通行止めのため、帰りは行きと同じ道ではつまらないので、下流に向かう途中から乙原トンネルに入り谷汲山経由で帰ることとします。そして、417号から258号線に入り、途中の道の駅「月見の里 南濃」で足湯につかって一日の疲れを癒すことにします。これで、今回は“星”と“月”にちなんだ道の駅を制覇することもできました。この足湯は無料なのですが、足だけじゃなくて全身温泉に浸かりたいという方にはすぐ近くに南濃温泉「水晶の湯」があります。露天風呂からは、濃尾平野や木曽三川が眼下に広がり、雄大なパノラマを眺めながら一日を振り返るのも良いのではないでしょうか? 私は、足湯に浸かりながら、今日のツーリングを振り返り、世の中が便利になることは良いことだが、それによって失われたものも数多くあるんだろうな…なんて一人で考えてしまいました。

余談ですが、今回訪れた徳山ダムの底に沈む旧徳山村を舞台とした「ふるさと」という映画があるそうなので、機会があれば鑑賞して、ツーリングとはまた違う側面から今日訪れた風景を見直してみたいと思っています。

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

国営公園「木曽三川公園」

住所/岐阜県海津市海津町油島255-3

営業/9:30~17:00

定休/第2月曜

URL/国営公園「木曽三川公園」

道の駅「星のふる里ふじはし」

住所/岐阜県揖斐郡揖斐川町東横山264-1

電話/0585-52-2605

営業/そば処「藤橋庵」11:00~16:30、
「藤橋の湯」 10:00~21:00

定休/そば処「藤橋庵」、「藤橋の湯」は木曜定休

URL/道の駅「星のふる里ふじはし」

藤橋城・西美濃プラネタリウム

住所/岐阜県揖斐郡揖斐川町大字鶴見字上平332-1

電話/0585-52-2611

営業/10:00~16:30

定休/月曜・火曜

道の駅「月見の里 南濃」

住所/岐阜県海津市南濃町羽沢1623-3

電話/0584-58-0258

営業/10:00~21:00 

定休/第1,3,5月曜

Tomy
プロフィール
Tomy

三重県在住。三重県、愛知県のハーレー仲間と週末ごとに中部各地を走り回るツーリングライダー。距離が伸びるにつれ、愛車XL883Lがツーリング仕様になりつつある。

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