愛知~岐阜山間部

掲載日:2007年10月28日 ツーリング情報局東海エリア    

街中を抜け、山間部へ
珍しい四季桜を愛でる

朝晩寒くなって来ましたが、ツーリングにはまだまだいい季節ですね。今回は、愛知県の山間部から岐阜県に抜けて秋を満喫できるコースを紹介したいと思います。行楽シーズンで山間部は渋滞していますので、あまり距離を走らずにたくさん寄り道をして秋を満喫してきました。

イメージスタート地点は、皆さんが分かりやすいように東名高速道路「名古屋IC」からスタートをします。名古屋ICを出ましたら、名古屋の郊外の長久手方面に向かい、万博記念公園を右手に見ながら猿投グリーンロードに入りましょう。この猿投グリーンロードは、ガードレールがグリーンなんです。距離は短いですが、通行料金は安く楽しめる道。この道路を途中の「中山IC」で出て、国道419号を岐阜県側(山間部)に向かって走ります。15kmほど走ると小原町に入ります。秋と言えば紅葉というのは当たり前。ここ小原は、なんと紅葉の中に桜が咲いてしまうんですね~。この風景は見た者しかわからないと思いますが、結構感動します。一見の価値があると思いますよ。小原の四季桜は、その昔ひとりの医師が苗を植えたのが最初で、それが親木となり広まったと言われています。四季桜は全国的にも珍しい桜で、昭和53年に地区の木に制定され、繁殖に力を入れられてきました。そのため、今では地区のいたるところで四季桜を見ることができ、現在約8000本の四季桜があるそうです。時期としては年によって多少の違いがありますが、10月初めからポツポツと咲き始め、見頃なのは、11月中旬~12月上旬頃までです。ちょうど皆さんがこのツーレポを読まれるころには一番見頃なのではないでしょうか。ぜひ見に行っていただければと思います。特に北部生活改善センターの近くには、樹齢百有余年の県天然記念物指定の名木(個人所有)があり、その見事さには目を奪われます。また、川見の薬師寺付近には1200本の四季桜が並んでおり、その見事さも一見の価値アリ、です。近くには「和紙のふるさと」と言うだれでも気軽に和紙のすばらしさに触れることのできる和紙の総合施設があり、和紙の展示を含め、和紙づくりの体験もできますので、興味のある方はぜひお寄りください。

イメージ紅葉の中の桜を堪能したら、また山に向かいましょう。国道419号を右折して県道19号に入り、足助方面に向かいます。県道19号は道幅が狭いので対向車には注意した方がいいでしょう。山の中を抜けて5kmも走ると小渡の町に入ります。ちょっと寄り道をして奥矢作湖の方へ。湖周を走る県道356号に入ってまもなく、矢作第二ダムの近くで右手に曲がってください。ここから頂上に上る道は結構楽しめますが、対向車には注意が必要です。そのまま1本道を登って行くと「旭高原少年自然の家」という公共施設が見えてきますが、さらに登って行きますと目的地である「旭高原元気村」に到着します。ここ元気村には、きらめき館という施設があります。星と雪をテーマにしたきらめき館は、宇宙の神秘を体験できるハーモニーホールや一年中粉雪が舞うホワイトホール、120インチの液晶ビジョンがあるイメージホール、口径40cmの望遠鏡を備えた天文台ミラッセ、ギャラリー、喫茶、特産品販売コーナーがあります。ここは入場無料で、夏に来ると雪に触れることができ、不思議な気分が味わえます。秋は秋で周囲の景色を見渡すことができ、素晴らしい景色が堪能できますよ。他にもふれあい動物園、テニスコート、釣り堀などもあり、なかでもアウトドア設備は充実しています。バーベキュー場やデイキャンプ広場、滞在派にはロッジ・バンガロー・テントなどの宿泊施設もあり、キャンプ備品の貸出やキャンプ用品の売店もあるので身軽に訪れることができる便利な施設です。ボクも来年の夏にはここまでキャンプに来たいと思っています。

大正の時代を感じつつ
日本一の田園風景を楽しむ

イメージ旭高原を満喫したら、登ってきた道を下り分岐点まで戻り、今度は県道11号線を岐阜県の明智に向けて走りましょう。山の中を紅葉が始まったばかりの樹木の間を路面に砂が浮いているのでエンジンの鼓動を楽しみながらゆっくり流します。10kmも走らないうちに明智に着いてしまいました。「また、休憩か?」と言われそうですが、今度はここの大正村に寄って行きましょう。まずは、日本大正村の役場です。この役場は、明治39年に庁舎として建てられた瓦葺きの寄せ棟造り2階建ての木造洋館で、当時としては目をみはるほどのモダンな建物でした。昭和32年9月まで明智町役場として使用され、現在は大正村役場として活用されています。ちなみに平成19年を大正で計算すると今年は大正96年だそうです。それでは、大正村のみどころをピックアップしてご紹介します。ここ、大正村の村長は、以前は高峰三枝子さんだったそうですが、今は司葉子さんが村長だそうな。じっくり時間をかけて見学するのなら5館共通入場券がお値打ちです。5館については日本大正村Webサイトをご覧ください。そろそろお腹がすいてきましたので、ここで食事をとることにしましょう! 大正村にある浪漫亭です。メニューは大正時代に縁があるメニューが並んでいました。明治の文明開化をきっかけに日本で生まれた定番洋食のハヤシライス、大正時代の三大洋食とも言われたコロッケやカツレツ、カレーライスなど。ボクはおすすめの味噌デミかつ丼(みそ汁・フルーツ付き)1,050円をいただきましたが、結構美味しかったです。

イメージお腹も満足したので、少し走りましょうか! 大正村を後にして次は国道363号を中津川に向かいます。この道は集落の中を通るため一部狭いところがありますが、快走路でオススメ。山村風景が広がる、心地よいドライブロードです。農村風景があって、登って下って、また農村風景があって…その繰り返し。なんとこの途中の岩村町は、農村景観日本一(そんなのあったんかい?)だそう。古代からの農村地帯のイメージを残す景観としては日本一であろうと言われているそうです。展望台がありますので、ちょっと寄って見てみました。これが、恵那郡岩村町の展望台からの景観です。何の変哲もない極めて日常的な生活風景だと思いますが、キレイですね~。ありきたりの風景も見る人が見ればありきたりでも無く、貴重な文化なのです。一般的に田舎のイメージとして頭の中に描く、美しい田んぼ(田園風景)、うねった畦、荷車しか通れない道、神社の森、お寺…そういったものが全て揃った場所でした。観光客目当てに造られた風景ではなく、実際に人が暮らしている人間の匂いがする町なのです。一度、農村景観日本一の展望台からあたりを見渡してください。何か懐かしい香りを感じる事が出来ると思います。こうした景観は次の世代に確実に残しておきたい豊かな風景ですね。

中津川でお土産を買い
日本一のピラミッドへ向かう

ちょっとカッコをつけて偉そうなことを言ってしまいましたが、岩村町を抜けて山の中を走って行くと、どんどん山が深くなっていきます。そのままずっと道なりに走り続けると、中央自動車道の下をくぐり国道19号線に突き当たります。中津川です。この季節、秋と言えば“栗きんとん”でしょう! 中津川には“栗きんとん”2つの有名なお店がありますのでお土産に買って行きましょう。「すや」と「川上屋」という2軒のお店がどちらも中津川の駅の近くにありますので、お好きな方に寄ってみてください。国道19号を木曽方面に行くと大きな駐車場も備えた「すや」の大きい店舗があるのですがバイクで行くのですから、どうせなら本店に行ってみましょう! まず、「すや」の本店ですが、JR中津川駅のそばアピタの近くですのですぐに分かるかと思います。また、「川上屋」の本店の方も「すや」の本店から西に500mぐらい行ったところにありますので、ここも迷うことなく辿り着くことができるでしょう。「で、どっちが美味しいの?」と言われそうですが、「すや」は栗の粒を残し、栗本来の食感を感じます。「川上屋」の方はきめが細かくまろやかで上品な和菓子って感じで甲乙付けがたいんです。

イメージお土産も買いましたら、あと1箇所だけ立ち寄りましょう。遠くから来ている方は、中央道の「中津川IC」から帰路に向かうのかもしれませんが、まだ時間はあるはず。国道19号線を多治見方面に5キロほど行きますと恵那の町に入りますので、恵那の町から県道72号で恵那峡の方に向かいます。この県道72号線に入る道はちょっと分かりにくいかもしれませんが、恵那峡に行きたいって言えば地元の人が教えてくれるので大丈夫! 道路から見下ろす恵那峡の景色も絶景ですが、今日は良い景色の中をさんざん走ってきましたので、ここでは日本一のピラミッドがある博石館に行くことにします。ここ、博石館は地元で四代続く石材業者が、私財を投じてつくった石の展示博物館。クフ王の1/10のサイズのピラミッドが売り物です。石の博物館には、「電気石」、「光る石」、「エベレストの山頂の石」、「砂漠の薔薇」など、珍石が多数展示されていました。地ビールレストランもありますので、タンデムで乗せてきてもらった人は地ビールを楽しむのも良いかもしれません。結構好評だそうですよ。また、時間に余裕がある人や石の好きな方はストーンパークで“宝石探し体験”をしてみるのも楽しいと思います。制限時間30分で、人工のせせらぎの中から約50種類の宝石・貴石を見つけるんです。パワーストーンが好きな人なんか夢中になっていましたよ。この場所(蛭川村)では、花崗岩(御影石)が取れるらしいですが、駐車場脇のトイレも全部御影石で出来ています。近くには、ねころびの磊(もり)という施設もあって、ここでは良いエネルギーを放射する石に囲まれ、ゆっくりねころんで心と体を思いっきり解放することができます。心のイライラ、ストレスもすっきり解消し、きっと明日への何かが見えて来るという宣伝文句でした。マッサージ・エステ・サウナ・岩盤浴などもあるようですが、そこまで時間の余裕はないでしょう。

と言うことで、今回は距離こそは走っていませんが、秋を満喫できるコース&施設&お土産を紹介させていただきました。欲張って何箇所も行きましたが、それぞれ重点的に行っても素晴らしい所ばかりですので、お好みの場所を選んで走ってみてください。

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

旭高原元気村

住所/愛知県豊田市旭八幡町根山68-1

電話/0565-68-2755

営業/9:00~17:00

定休/月曜・年末年始

URL / 旭高原元気村

日本大正村浪漫亭

住所/岐阜県恵那市明智町456番地

電話/0573-55-0055

営業/9:00~18:00

定休/第2・4火曜

URL / 日本大正村浪漫亭

「すや」本店

住所/岐阜県中津川市新町2-40

電話/0573-65-2078

営業/8:00~19:00

定休/水曜

URL / 「すや」本店

「川上屋」本店

住所/岐阜県中津川市本町3-1-8

電話/0573-65-2072

営業/8:00~19:30

定休/水曜

Tomy
プロフィール
Tomy

三重県在住。三重県、愛知県のハーレー仲間と週末ごとに中部各地を走り回るツーリングライダー。距離が伸びるにつれ、愛車XL883Lがツーリング仕様になりつつある。

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