『ツーリングのつぼ』

風防とハンドルカバーの組み合わせ

掲載日:2014年02月04日 タメになるショートコラム集ツーリングのつぼ    

Text/Kosuke KAWAI

もうひとつの愛車BMWのGSには、風防もハンドルカバーもグリップヒーターも付いている。バイクに乗り始めた頃に、カッコ悪く、年寄りの象徴であるかのように思っていたモノを3つも付けている自分に驚愕をおぼえる。信号待ちのたびにグローブのままエンジンに触れて暖をとっただけで、一人前のライダーになれた気がして満足していた昔がウソのようだ。シート高があって足付きが悪く、信号待ちでは立っているのが精いっぱいで、ハンドルから手を離せないGSに問題があるのかもしれない。

バイクに乗り始めて四半世紀の間、安く、そして効果的な冬用のグローブを探し求めて、台所用のゴム手袋や作業用、スキー用のグローブからバイク専用品まで、値段にして100円からその100倍くらいまで、いろいろ使ってみた。しかし、冬用の厚いグローブはレバー操作がしにくいのだ。そして冬の北海道ツーリングで、しかたがなくハンドルカバーを付けたら、今までの苦労が何だったのかと思うくらい、その暖かさに驚愕した。ライダーとして熟成したのだと思いたい。

市販品を購入するなら、窮屈に感じるので、なるべく大きな物を選ぶといい。私は大きなくちばしの付いた鳥のマークがある製品を愛用している。そして、オフロード用のハンドガードなり、何かしらの骨組みを併用するのがコツ。これがないと、前方からの風圧でレバーが押されてしまう(不意にブレーキが効いたり、勝手にクラッチが切れる)可能性がある。こうしてカバーがグローブに触れなければ、少しくらいの雨でも大丈夫なのだ。

ハンドルカバーをつけると、いかに精悍で男らしいGSでさえ、いきなり実用車然としてしまう。さらに、ハンドルカバーとグリップヒーターの組み合わせは最強で、雪の中でも夏用の薄いグローブで充分に暖かい。グリップヒーターだけでは、コタツをつけているのに布団をかぶせていないような感じだ。どちらか一方だけではもったいない。ただし、先稿の風防よりもハンドルカバーの方が美しくないので、さらなる美的感覚のマヒを待つ必要がある。

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