
掲載日:2012年08月28日 タメになるショートコラム集 › ツーリングのつぼ
Text/Kosuke KAWAI
この MSR を持って世界一周に旅立ったら、たった2ヶ月後のアメリカにいる時に故障してしまった。アメリカ製なのに母国の水(いや、ガソリンだ)が合わなかったのだろうか。
ところで私は、後日インドに入った瞬間に体を壊した。だがしかし、インド人も日本に来ると水あたりすると聞くので、ようは慣れの問題なのだろう。
点火しない MSR をアウトドアショップで調べてもらうと、ジェネレーターが詰まって固着していて修理不可能だという。これは私の整備不足が原因だ。それまで燃料の出るニップル部分の掃除だけしかしなかったのだ。やはり説明書は読むべきだろう。たとえそれが英語で書かれていたとしても。
そこで新しいジェネレーターだけを購入した。基本構造を変えずに長い間生産されている製品はココが違う。壊れたパーツだけを売っているし、それを古い本体に簡単に取り付けることができる。
そのとき店員に、本体を振ると自動的にニップルが掃除される “シェイカーニードル” 機能はオマケで、ジェネレーター内側のワイヤーを引き抜いてゴシゴシ掃除するメンテナンス方法が効果的なことや、空気圧を抜いてOリングに負担がかからないように持ち運ぶこと、さらに火を止める前に一度バルブを全開にしてカーボンを飛ばすなど、長持ちさせるコツを教わった。
そんなメンテナンスを繰り返すことで、以後、中南米の青や黄色の怪しげなガソリンを入れても、標高 5,000 メートルを越えるアンデス山脈でも、ウイスパーライトは、赤青い炎で小ウルサく燃えてくれた。
このウイスパーは、日本語で “ささやく” という意味。燃焼音が静かなストーブという意味なのだろうが、そのままを鵜呑みにしてはいけない。それまでの老舗ストーブ、ホエブスやオプティマスなど、50年・100年単位で形と構造が変わらない製品に比べて静か、というネーミングだろう。ソロのキャンプで MSR ウイスパーライト・インターナショナルは、力強く頼もしい燃焼音だと思う。
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