
掲載日:2012年05月08日 タメになるショートコラム集 › ツーリングのつぼ
Text/Kosuke KAWAI
シュラフカバーやインナーシュラフを選ぶ場合、細かいコトかもしれないが、ファスナーの位置も気にした方がいい。たとえばカバーのファスナーが右にあり、シュラフ本体は左ファスナー、さらにインナーのファスナーは右側という状況では、急に尿意をもよおした場合、寝袋からの脱出はインディージョーンズでさえ不可能に近いと思うからだ。
ファスナーの左右は好みで構わないが、どちらか片方で統一すると、酔っぱらってもぐり込む時にも便利だ。ファスナーは狭いスペースで腕を動かす必要があるので、右利きなら左側にファスナーがあると開け閉めがしやすいと思う。ファスナーの右左が選べるような細かな設定がある立派な製品は、きっと開発者に本物の山男か酔っぱらいが関わっているのだろう。
そして私は、体の正面にファスナーやベルクロ、ストレッチコードなどがある製品は選ばないようにしている。寝ている間にツマミやファスナーが顔に触れて不快に感じるだからだ。
ファスナーを全開にすると継ぎ目が外れて、広げられる構造のシュラフもある。広げるつもりはなくても、ファスナーを開けた拍子に外れてしまい、それを暗くて寒いテントの中でつなぐのは至難の業だったので、私はファスナーを外れないように縫い合わせてしまった。
裁縫セットを取り出したら、シュラフに空けてしまった穴も縫っておこう。ダウンはなぜかフリースに集中して付着するので「自分は鳥類かも」と悩む前に補修しよう。テントとかの補修布をペタリと貼る修理方法でも構わない。緊急時には絆創膏やガムテープでも代用できる。
シュラフはテントという個室の中で使われるので、シャツのように色やデザインのセンスを問われることがないメリットはあるが、他人のシュラフと比較したり試したりする機会は少ないだろう。シュラフやテントには、バイクの試乗のように「お試し寝」のシステムがあればいいと思う。一晩が無理なら、昼寝でもいいぞ。
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