
掲載日:2013年06月20日 タメになるショートコラム集 › ウェア屋さんのひとりごと
Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )
6月も後半に入ると 『鈴鹿8耐』 に関連する動きが活発になってきましたが、私も先日、事前テストが行われているサーキットに出向き、参加している選手のフォロー等々を行ってきました。
ひと段落した私がパドックを歩いていると「藤本さ~ん、ちょっと…」と、仲良くしていただいている選手に呼び止められました。話を聞くと最近、スーツの中から白い粉の様なものが出てくるので、プロテクターが劣化したのではないか? とのこと。「どれどれ…」とプロテクターを外してみると、特にその様な事はありません。更に内装を外していくと、“ネックサポート” と呼んでいる、背中のコブを形成しているスポンジが粉々になっているではありませんか! でもこれと似た症状はレザースーツに限らず、一般的なライディングウェアにも起こり得る事なんです。
チョット堅苦しい表現になるかもしれませんが、人の皮膚からは汗と同時に、皮脂や垢(アカ)、角質等の分泌物が排出されています。これらが空気中の酸素と作用し合う “酸化” によって、ウェアの生地やプロテクターのフォーム等を変質させていくのです。この “酸化” は、紫外線を受ける事によって更に加速されるため、アウトドアで使用する事が前提のライディングウェアにとって、厳しい条件とも言えますよね。
前回のお話は「たまには洗おう~」というタイトルでした。ただ、本当は使用するたびに洗濯することをお勧めしたいのですが、ライディングウェアの多くは “手洗い” が原則だったり、プロテクターの着脱といった面倒な作業が多いので…。
表面の汚れが気になるのは当然ですが、裏側の汚れは放置しすぎるとウェア自体の耐久性にも影響してきます。大切なウェアを長く快適に使用するためにも、出来るだけこまめに、正しい方法でお手入れをしてあげましょう!
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