『ウェア屋さんのひとりごと』

またまたアジア選手権 ~今度はインドネシア~ の続き

掲載日:2013年06月06日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

インドネシア滞在2日目の夜、夕食を終えてから現地のスタッフが「イイ所があるんだ」と言って車を走らせ始めました。ただ渋滞の酷さは相変わらずで、交差点では車とオートバイがパズルの様に入り乱れ、一時は「コレ、どうやったら前に進めるの?」と不安になったほどです。

その渋滞を何とかかいくぐり、小さな街の中を暫く進んで行くと耳が「キーン」としてきたので、何気に車内の高度計を見たら標高は 900m! にも関わらず反対車線では定番の渋滞が続き、道路の両端には商店や民家が立ち並んでいます。日本なら、ここまで標高が高ければ何も無い山道だけといった地域だと思いますが、既に現地時間の夜9時は過ぎているというのに、周辺でたむろ(?)している人も数多く見かけ、平地と変わらない街並みと人の多さに驚くばかりでした。結局、高台にあるホテルのレストランに連れてきてもらいましたが、サーキットを出た時の気温は 34℃ だったのに対してここでは 19℃ まで下がり、短パン&Tシャツだとビールを戴くにはちょっと寒い…。

さて、お話しはサーキットへと移りますが、セントゥールは前戦のセパン(マレーシア)に比べると設備は古く、路面も日本のサーキットではあり得ない程の厳しいコンディションで、このコースを走り慣れていない選手にとっては辛いラウンドになった様です。それは、このラウンドで日本人ライダーが誰も表彰台に立つことが出来なかったということにも、多少なり関係しているのかもしれません。5月31日~6月2日には全日本選手権でオートポリスサーキット(大分県)へ行ってきましたが、改めてそのギャップを痛感。また、東南アジアのコースでは思いがけない “遭遇” もあるらしく、小山選手によると「コースの下見をしていたら、グラベル(コース外)に2mぐらいのトカゲが居て、目が合っちゃいましたよ~!」といった類の目撃証言(?)が多数寄せられています。以前は鈴鹿サーキットで亀を轢いてしまったとか、私も1コーナーへのアプローチ中に目の前を蛇が横切るといった珍事もありましたが、さすが南国ではスケールが大きいというか、転倒して転がった目の前に大トカゲ…想像しただけでもゾッとしますね。

パドックを歩いていると、セパンですっかり顔を覚えられてしまったのか、海外チームの選手や関係者に呼び止められる様になりました。まあ私を呼び止める時は大抵、彼らにとって「お願い」が殆どなんですが、知り合って間も無く、満足な会話もできない自分に対しても、現場でフレンドリーに接してくれる皆さんには元気をもらっています。そんな「少しぬる~い」パドックの雰囲気に反してレース展開は激しく、まさに “戦い” と言えます。アジア選手権の オフィシャルサイト から最新のレース映像にアクセスできるので、“手に汗握る攻防” を、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょう。「レース、なぁ…」と思っていた方も、観てしまえば病みつきになるかもしれませんよ!

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