『ウェア屋さんのひとりごと』

レザーウェアも洗えるんデス!

掲載日:2013年03月07日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

先日、当社のツイッターに「革パンツは洗えないから…」といった書き込みがありました。書き込まれた言葉から、レザーパンツを大切に使いたいというニュアンスを感じたので、東京のKADOYAさんが2005年から革専門のクリーニング事業としてスタートした“リフレザー”を紹介させていただきました。その後、数名の方からお礼のメッセージをいただいたのですが、革を洗うことができないと思っている方は意外に多いのかな? と感じました。

確かに、できることなら革は水に濡らしたくないものですが、正しいメンテナンスをすれば、翌日にはいつも通りのコンディションを取り戻すことも可能です。本当に良くないのは雨天の使用や目一杯発汗した後、そのままほったらかしにしたり、急いで乾かしたいからと言ってドライヤーやファンヒーター等の熱(特に高温)を加える事です。革は水分を含んでしまうと、乾燥時にしなやかさの元である油分を奪ってしまいますが、これに熱を加えてしまうと革の繊維を破壊し、本来のしやなかさや強度が失われてしまい、元に戻すことは不可能になってしまいます。ただこれは極端な例なので、濡れたり汗を吸った後は適度な油分を補給しておくといった基本的な手入れをしていれば、何年にもわたって良好なコンディションを維持することができます。私のレーシングスーツなんて、12年経っても余裕で現役なんですから!

さて、本題の“洗える”についてですが、簡単に言うと革専用の洗剤を使用したクリーニングで、内部に染み込んだ汗などの汚れまでキレイにできるというものです。また、洗浄の際に失われる油分も補うこともメニューに含んでいるので、クリーニングを終えた後のレザーウェアは、汚れの程度にもよりますが、“見違える”とまでは言わないまでも、どこかスッキリした様な、そんな印象を受けることでしょう。大切なレザーウェアを良いコンディションで永く使いたい、そんな方にお勧めのサービスと言えます。

ただ少し注意したい点として、洗浄後は自然乾燥を行うために預かり期間は1ヶ月程度を要します。また皮革によって程度は異なりますが、洗浄~乾燥の過程において若干の伸びや縮みが生じる場合があるので、仕上がり後はすぐに着用し、ウェアを体に馴染ませておいた方がイイでしょうね。さらに、クリーニングとは言え、全ての汚れが落ちるということはありません。頑固な油汚れはもちろんのこと、数年に渡って染み込んだ強固な汚れは、幾分か薄くなることはあっても完全に落とし切ることは難しいということを認識しておくことが大切です。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索