『ウェア屋さんのひとりごと』

アンダーウェアの活用術 ~発熱アンダーウェア~

掲載日:2012年10月25日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

昨年は発熱タイプのアンダーウェアに関するテレビ CM が「一気に増えたな~」と感じたのですが、今年になって更に多くなった気がします。薄いけど暖かい、でもって動きやすいとなれば、確かに非常に魅力的な商品であることに違いありません。厚着で寒さを凌いできた方にとってみれば半信半疑と思われていた発熱素材も、ここまでくれば、かなり認められてきたと言っていいでしょうね。発熱機能を持つアンダーウェアの活用については、以前にも触れたこともありますが、前回からの流れということで簡単に、効果的な着用方法についてお話ししておきましょう。

防風機能のウインドストッパー(前回コラム 『アンダーウェアの活用術 ~ウインドストッパー~』 参照)と発熱機能をアンダーウェアでは、防寒という狙いは同じでも、その方法が全く異なるので、当然のことながら着用の方法も違ってきます。発熱機能のアンダーウェアは、身体から発する水蒸気を熱に換えるという性格上、基本的には素肌に着用することによって暖かさを直に肌で感じることができます。そのため、「まったくダメ」という事はありませんが、ウインドストッパーの様に身体から離れる着用方法では十分な機能を発揮することができません。ちなみに私が2年ほど前に初めて試した際に効果的だったのが、クールライドストレッチアンダーシャツを着用した上から、発熱機能のアンダーシャツを重ね着するというものです。速乾性に優れるクールライドシャツが発熱素材に対し、積極的に水分を送り込んでくれる効果に加え、少し汗ばむ様な状況でも素早く乾燥し、汗冷えの2次的な寒さを抑えてくれる効果を実感しました。

それから、発熱機能を持つ生地は防風機能を持ち合わせていないので、一般アパレルの様に走行風を通しやすいジャケットとの併用は、あまり効果的でない事もあります。この様な場合はウインドストッパーに代表される防風機能に優れるインナーウェアを、ジャケットのすぐ下に重ね着してシッカリすきま風の侵入を防ぐか、発熱機能のインナーを使用する際には、防風機能が高いライディング用のジャケットを着用することで、それぞれが持つ特長を発揮し、快適なライディングを可能にしてくれるのです。

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