
掲載日:2012年10月11日 タメになるショートコラム集 › ウェア屋さんのひとりごと
Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )
今回のお話は「続き」なので、「なんじゃっ?」と思われた方は、先週のお話 をご覧ください。
3時間耐久の予選は第1→第2→第3ライダーの順に行われますが、私は第2ライダーなのでコースインは2番手。前日に感じた問題を少しでも解消するために行ったセッティングの変更がハマッたのか、立ち上がりでの振られも無くなり、その甲斐あって第1、第3ライダーはタイムを更新しましたが、私はうまく合わせられず前日のタイムを少し上回っただけ。結局、3人中ビリのタイムで予選を終えてしまい、自分の不甲斐なさに少し落ち込んでしまいました。決勝は 27 チーム中6番手からのスタートです。
落ち込んでいる暇も無く始まった決勝は、第1ライダーがスタートして約 55 分後に私が5番手でマシンを受け取りましたが、少し走行してから車体に装着しているモニターを見始めると、予選での不調がウソの様に自己ベストを更新しながら、しかもそのタイムをしっかりキープ出来ている。しかしそんな感じで順調に周回を重ねているかに思えた終盤、燃料の残量警告灯がチカチカ点滅し始めました。10分程度の走行は問題なくできそうでしたが、「残り時間は??」と悩んでいたところで「ラスト3周」のサインがピットから出されたのと同時に、自分もタンクを指差して燃料の残りが少ない事をピットに知らせました。次の周では「ラスト2周」ではなく、何やら見覚えの無いサインが出されたので「ライダー交代の準備ができたのかな? どうしようか?」と考えた結果、ガス欠という最悪の結果を避けるためにピットイン。第3ライダーへとマシンを託した後、出されたサインボードを見ると、「おいおい、ピットインのPが9になっとるやん!」なるほど、サインを見ても何となくシックリこなかった訳だ。
最後の走行ではコースイン早々に思わぬ事態が発生。シールドに雨粒が当たり始め、それが次第に強くなってきました。「この程度なら大丈夫!」という思いと「ホンマに大丈夫?」という思いが葛藤してペースを上げることができません。それでも何とか安全なペースを保ちながら、3周ほどで雨粒は次第に弱くなり、本来のペースに戻すことができました。それにしても雨の降り始めは想像以上に滑りやすくなるので、一般道を走行している時も、この様な場合は特に慎重なライディングを心得ておきたいものですね。
走行開始早々の私を恐怖のどん底?に陥れた雨も止み、後はひたすらチェッカーを目指して走行を続けますが、他のチームには速いライダーがたくさん居るので油断は禁物。優勝は厳しいけど2位の座は死守するため、とにかく集中力を維持しながら走行を続け、最後は無事にチェッカーを受けることができました。ピットに戻るとたくさんの知人や友人、そしてチームメイトとハイタッチを交わしながら表彰台の下にマシンを止めましたが、この瞬間、たまりません!
レースと言えばつい結果に目を奪われがちになりますが、ひとつの目標に向かって “楽しむことができた” ということは、私にとってかけがえのない思い出になりました。これは、速さを競うことの無いツーリングや普段のライディングでも同じですよね。
さて、すっかり気温も下がってきたことですし、次回からは “ウェア屋さん” のお話にもどりましょうか。
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