
掲載日:2012年06月21日 タメになるショートコラム集 › ウェア屋さんのひとりごと
Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )
前々回から2回にわたり、今の時期にお勧めのライディングパンツについてお話をしましたが、最後に触れた “立体裁断” についてはジャケット選びの際にも重要な要素となります。ライディングウェア独自に施されている立体裁断の形を理解していないと、ついうっかり大きなサイズを選んでしまいがちです。そんな失敗をしないためにも、ぜひこれだけは知っておいてください。
それでは、もう一度ライディング時の姿勢を頭に思い浮かべてください(あ、前回も想像してもらったので)。上半身は “前屈みで両腕を前に出す” という姿勢になっていますよね。ウェア自体も多くの製品がその姿勢に近い形で作られていますが、一番の特徴は前身(胸やお腹)の丈が短く、横幅は狭くなっています。逆に後ろ身は丈が長く幅広となっていて、いわゆる “猫背” の様な形となっています。この “猫背加減?” は、どの様な車種やライディングスタイルをターゲットにしているかによって様々ですが、前傾姿勢のきついレーシングスタイルに近付く程、その度合いは強くなっていきます。
この様に一般的な衣料と異なる形状のため、本来であればライディングフォームでサイズの確認を行うべきところですが、意外にそうされない方が多く、例えば、フロントファスナーを閉めた途端に胸周りが窮屈に感じ、せっかちな人だと「あ、アカンわ」と言ってすぐに脱ぎ始めてしまうといった光景を何度も目にしました。そんな時は「まあまあそう言わず」といった具合にフォームのチェックを行ってみると、前身に適度な余裕が生じて、ちょうど良いサイズだったということもよくありました。
普通の姿勢だと少し長めに感じる袖丈も、ライディング時には腕が出ていくので「少し長いのかな?」と感じるくらいが、実は程良かったりします。あとは背中ですが、ライディング中に背中が丸見えになるのは論外。パンツの股上が浅いという事も考えられますが、その様な状態であればワンサイズ大きいものを試してみましょう。
サイズ選びのコツについては過去にも何度かお話ししましたが、単に “大きい小さい” だけではなく、ライディングウェアの形状も理解しながら、自分のスタイルに合ったライディングウェアを選んで、快適なライディングを楽しんでいただきたいものです。
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