『ウェア屋さんのひとりごと』

ライディングパンツのあれこれ(つづき)

掲載日:2012年06月14日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

先週は筑波サーキットで開催されたイベントレース “テイスト・オブ・ツクバ” のブース出店に行ってきましたが、いやもう暑いのなんの、既に夏の陽気と言った感じでしたね。ブースにはたくさんのお客様にお越しいただき、それこそ今が旬のクールライドに対するご質問も多数いただきました。それだけ、皆さんが強い興味を持たれているのでしょうね。

さて、前回のお話で時間切れになってしまった “立体裁断とはなんぞや?” というところからお話ししていきたいと思いますが、まずはオートバイに乗車している時の姿勢(下半身)を想像してください。思い浮かびましたか? 膝は直角プラスα程度に曲がり、腰もググッと前屈みになっていますよね。この様な姿勢をとった状態では、一般的な衣料の様にパンツの形がストンと真っ直ぐだと、膝先やヒップは常に突っ張りを感じ、膝裏や腰の前側には余った生地がシワとなってその付近を圧迫します。ライディング用として作られたパンツは生地もしっかりしたものが多いので、この様な症状は一層強く感じると言ってよいでしょう。

そこで、予めこの様な姿勢に近い形でパンツを作り、少しでも自然なフィーリングで乗車姿勢を取ることが出来る形状を “立体裁断” と呼んでいますが、他でも採用している衣料があるので、聞き覚えのある方も多いと思います。ライディングパンツでは膝を少し曲げ、太ももの付け根も脚を少し前に出します。ウエストは前屈みになるので前丈は短く(低く)、後ろは背中が出ない様に高くするといった形状となりますが、この辺りの “さじ加減” はメーカーや製品の性格によって結構違いがあります。

この様に、ライディングポジションに重きを置いたライディングパンツですが、少しだけ弱点もあります。前屈みになり膝を曲げた形状なので、直立姿勢ではヒップや膝の生地が余ってしまい、普通に歩いている分にはその部分が少し気になるかも? という点ですが、そこは好みが分かれるところ。できれば複数の製品を試着し、履き心地やシルエットを確認した上で購入していただきたいですね。ただ、前回ご紹介させていただいたメッシュパンツの通気性、これは何とも言えない魅力があると言って間違いありません。興味があればぜひお試しあれ!

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