『ウェア屋さんのひとりごと』

ライディングパンツのあれこれ

掲載日:2012年06月07日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

先週は久しぶりに東京で編集部の皆さんとお会いしてきました。もちろん、“タメコラ” 編集担当のゼンさんともお会いしましたが、いくらネットワークが進歩しているとは言え、内容の濃さは電話やメールの比ではないことを痛切に感じてしまいますね。いや、毎度のことなんですが。

そんな “東京行脚” の最中に「ライディングパンツって、どーなんですか?」と質問され、思わず「そこにきましたか!(ニヤリ)」と。確かに季節物の特集やカタログページ、機能の紹介等でも、ジャケットに関するものは非常に多い反面、ライディングパンツはあまり注目されていない様に感じていました。その影響なのか、“よく分からないモノ” となっている方も少なくないのでは? という訳で今回は私の独断で(あっ、いつもですね)まず “ライディングパンツって何ぞや” というところからお話しをしていきましょう。

ライディングパンツにとって大切な要素は、①安全性 = プロテクション機能と、②ライディングに必要な強度 = シート座面、車体との接触部分等、③快適性 = 最適な形状と通気性、防風性等といったものです。

①と②はレベルの大小こそあれ “ライディングパンツ” であれば全ての製品に備わっているべき要素で、①は基本的に膝や腰回りにプロテクターを装備しており、前回も痛?いお話に触れましたが、転倒時に受ける衝撃を緩和するための大切な機能です。②は、上半身の体重を受け止めるシートの座面、タンクやフレームとの接触部分には大きなストレスが掛かるため、デニムは別として一般的な衣料では短時間でダメージを受けてしまうことも少なくありません。そのため、パンツ全体に強度の高い生地を使用したり、車体と接触しやすい裾付近には更に高強度の素材で補強し、ライディング時特有のストレスへの対策を施しています。

③の快適性については、季節やニーズによって様々な機能が要求されますが、これからの季節であれば涼しさを求める通気性、もしくは雨天時にも対応可能な防水性・透湿性といった機能の2点が挙げられます。

さて、私が今からライディングパンツを購入するのであれば、間違いなく通気性の高い “メッシュタイプ” を選択します。私たちは通常、“メッシュパンツ” とも言いますが、特長は何と言っても通気性の高さゆえの涼しさ、蒸れた不快感の少なさが圧倒的に優れている点です。“メッシュパンツ” には色々な種類があり、上から下まで “フルメッシュタイプ” や、強度が必要な部分には普通の生地を使用した “クロスオーバータイプ” など、製品によって通気性や強度等の大小といった違いがあります。また、ライディングフォームを考慮した形状に “立体裁断” されたものが多く、乗車時に違和感が少ないのも特筆すべき点です。“立体裁断”…ああ?っ、書くスペースがぁ?っ!

という訳でこの続きは来週に。

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