
掲載日:2011年11月17日 タメになるショートコラム集 › ウェア屋さんのひとりごと
Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )
前回は “バックプロテクター” や “チェストプロテクター” についてお話を…ということで締めくくらせていただきましたが、「CEプロテクターって何?」というご質問をいただいたので、少しだけ掘り下げてみたいと思います。
みなさんがよくご存じのヘルメットで例えてみると、JIS や SG、スネル、DOT など、各国で安全基準があり、それらを満たした製品でなければ公道を走行する事ができません。日本では SG がそれに該当し、SG に認可されていないヘルメットは日本の公道で使用することができないのですが、身体を守るための大切なプロテクターに対して、現在の日本には何の基準もありません。
ところが、EU ヨーロッパ連合内の国々ではプロテクターに関する安全基準があり、それをクリアしていない製品は EU 圏内において流通、販売することができない。それが “CE規格” なのです。
ちなみに、ヨーロッパは EU 圏内での流通に関する安全性と合理性を図るため、様々な工業製品に対して CE の基準があります。電化製品や玩具、薬品などに関する様々な分野において、それぞれに厳しく定められた CE 規格をパスした商品は安全とみなされ、ヨーロッパの各国々で販売することが許されているのです。みなさんがお使いのパソコンやマウス等をひっくり返して裏面を覗いてみれば、製品にもよりますが CE のロゴが記載されていると思いますよ。
その中でも、モーターサイクルの安全防具性能基準が “EN1621” と呼ばれるもので、事故の際に身体の各部を襲う数トン、場合によっては数十トンのレベルに達する衝撃を、一定のレベルにまで下げる事ができたプロテクターのみに CE 規格が認められます。前回のお話で、「お手持ちのウェアに使用しているプロテクターを摘んでみて…」と書きましたが、CE をクリアしたプロテクターであれば、相当な力を加えないと潰れてしまうことはありません。時には硬いと感じる場合もあるかと思いますが、逆にそれぐらいシッカリしていなければ、瞬間的に受ける大きな衝撃を減少(個人的には減衰とも言っていますが)させることができず、限界を超えた分は全て身体へ伝わってくるという訳です。
これからはプロテクターが付いている、付いていないだけではなく、“どんなプロテクターが付いている” といった点も気にしながらウェアを選ばれてはいかがでしょう?
それでは次回、その他のプロテクターについてお話をしていきます。
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