『ウェア屋さんのひとりごと』

足元をビシッと決めて、スムーズライディングを!

掲載日:2011年07月14日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

身につけて使用するライディングギアにはジャケットやグローブ、レインギアといったものがありますが、ブーツやシューズ、いわゆるフットギアについて、みなさんはどの様にお考えでしょう? 車体(ステップ)との接点となるフットギアは、スムーズなギアチェンジやブレーキングなどの操作、コーナリングの際に荷重の移動を行う上でも重要な役割を担っています。安全性においても、スポーツ用などの一般的な靴に比べて優れているのは言うまでもありませんね。また、ライディング中にステップから受けるストレスは意外に大きく、特にシフトペダルが当たる部分や常に車体と接している内側などは、摩擦によって破れる事も珍しくありません。この様な意味からも、ブーツやシューズはライディング用の使用をお勧めしたいのですが、どんな用途でどういったものが使われているのでしょう。

サーキットで必ず目にするレーシングブーツは、昔はサーキットからツーリングまで、殆どのライダーに愛用されていました。実際、海外からやってきたブーツメーカーのスタッフが「何で日本はこんなにレーシングブーツが売れるんだ?」と首を捻っていたほど。確かに安全性と操作性のバランスは最高レベルと言って間違いありません。ちなみにサーキット走行ではブーツが合う、合わないでタイムに影響するほど大切なアイテムです。

最近ではレーシングブーツを短く(低く)した様な、いわゆるショートブーツを愛用しているライダーをよく見かけます。足首までの基本的機能はレーシングブーツと同等ながら、低さゆえに履きやすく、人気の高さにもうなずけます。私も撮影などで使用することもありますが、確かに履きやすさと安心感のバランスは最高ですね。

最もポピュラーなのがライディングシューズですが、ここ数年で色々な種類のシューズがラインナップされ、どれを選んでイイか頭の痛いところだと思います。

全天候型の防水タイプは、ほぼ1年中で使用できるという利便性の高さがある反面、温暖な時期には蒸れやすいといった欠点があります。雨の日や冬場は殆ど乗らないという方にとって重要ではありませんが、逆に通勤などで天候に関わらず使用される方にとっては必要な機能と言っていいでしょう。

ここ数年では夏場の通気性を重視したタイプも注目されていますね。走行風を積極的に取り入れることで暑さを抑えるのはもちろんですが、1日中履いていても蒸れにくいといったメリットがあります。私は先日のツインリンクもてぎで “デルタ ライディングシューズ” を履いていましたが、クッション性に優れるスポーツシューズに比べてやや疲れを感じた以外は快適に過ごすことができました。余談ですがホンダの秋吉選手も「カッコイイ」と言いながら愛用してくれています。

ジャケットやグローブも同様ですが、通気性と防水に関しては共存することができない機能でもあります。目的を絞るのであれば、雨が降りそうな日や気温の低い日、もしくはオールシーズン用として防水タイプを、暑い時期の晴天用として目的を絞るのであれば通気性重視のシューズといった感じで選んでみるとイイでしょう。

みなさんが求めているライディングのスタイルや、季節に合わせて足元をビシッと決めれば、ライディングに対する安心感や、オートバイとの一体感がより一層高まり、みなさんのライディングにも必ずや良い影響が出てくるのではないでしょうか。

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