『バイク乗りの勘所』

バイクに積んでいる物

掲載日:2012年04月02日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

車載工具には、あまりこだわらない。あれば役に立ちそうでも、積んでいてよかったと思ったことはほとんどない。かといって、出先でトラブったことがないわけではない。昔も今も古いバイクに乗り続けているから、昔はよく壊れた。だが、その壊れ方は、ほとんどの場合、車載工具で何とかできるレベルではなかった。シフトフォークの折損、レギュレターのパンク、タペットアジャスターのロックナット脱落など、代替パーツがなければどうにもならない。

そんな経験を積み重ねているうちに、ふだんはほとんど工具を積まなくなった。1人のときに途中で止まれば、だれかに迎えに来てもらうか、バイクを置いて帰り、後日引き取り(その場で修理できれば修理して乗って帰る)に行けばいいし、マスツーリングのときならだれかが工具を積んでいるはずなので、それを借りればいい。まあ、借りたからといって、その場で直せなくても点検くらいはできるから、あとで救援に持参する工具とパーツの見当はつけやすい。

ところが、そんな私が、常にバイクに積んでいる物がある。ヘルメットの掃除用に、水(100cc程度)の入った小型のスプレー式容器とハンドタオル、バイクの修理用には、タイラップ、ウエス、ガムテープなどだ。“何じゃそりゃ~?” と思われるかもしれないが、タイラップとウエスとガムテープは、実際、それらを使って、なければその場(山道)に止めて帰るしかなかったバイクを、街まで自走させたことがある。自分のではなく、他人のバイクではあるが…。

事故や激しい転倒、修復不能の重大トラブルなどはどうしようもなく、現場でヘタに手を出さないほうが良いこともある。しかし、軽度なパーツの破損やピンホール程度の液(冷却水やエンジンオイル)漏れの場合、工具だけでは修理できなくても、タイラップとウエスとガムテープがあれば、パーツに応急処置が施せることがある。外装パーツの脱落防止だけでなく、水やオイル漏れの仮止めも、とりあえず下山させるだけなら、これら3点で何とかなる場合が多い。

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