
掲載日:2012年03月19日 タメになるショートコラム集 › バイク乗りの勘所
Text/Nobuya YOSHIMURA
まだ寒い。日差しはすでに春本番なのに、風の冷たいこと。しかし、3月に入って、本格的な春を待ちきれずに動き出したライダーの姿が目につくようになった。ライダーも人間、人間も動物であり、自然界の一員だから、自然の摂理というヤツかもしれない。この時期は、動物だけでなく植物も活気づき、冬場は毎日同じ景色だったのが一転して、これから5月あたりまでの間は、日一日と緑が濃くなり、いろんなところにいろんな花が咲く。
ウチの庭や近所では、冬の花の代表であるツバキやサザンカに代わり、春一番のマンサクに始まり、サンシュウ、レンギョウ…と、黄色の花が続く。もっと地面に近いところでは、オオイヌノフグリやホトケノザ、遠くの畑では、そろそろ菜の花が満開の季節だ。活気づくのは花だけではない。野菜もまた、ハウスではなく露地育ちのものが次々と収穫の時期を迎える。菜の花、大根、ホウレンソウ、ブロッコリー、春菊、水菜…と、書き出せばきりがない。
そういえば、昨日、ガレージの脇にツクシが出ていたので、そいつを10本ほど採って湯通しし、ホウレンソウのおひたしに混ぜて食べた。味覚の秋に負けない、バラエティー豊かな食材が、この時期の野山にはあふれている。そこで考えたのは、遠くの山の春景色を眺め、近くの野の花に気づき、露店や道の駅の売店に並ぶ春野菜を買うツーリングである。距離とスピードは控えめにして、ゆっくり走り、走っているのと同じくらいの時間、バイクを離れて歩くのだ。
朝練と称して休日の朝に走っているリターン系オッサンライダーの多くに「午後からは家族サービスで…」てな話を聞くが、たまには奥さんや子どもを後ろに乗せて校外の道の駅に向かう “野菜買いだしツーリング” なんてのはいかがだろう。オッサン連中は、ただ春らしい景色と新鮮な春野菜を味わうだけかもしれないが、奥さんがたは、新鮮さと安さに驚かれるに違いない。私も、グリーンアスパラの旬の頃、そんな感じのツーリングをすることにしている。
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