『バイク乗りの勘所』

給油はツーリングの直前にすべし

掲載日:2011年12月05日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

年に何度か、ガソリンの性状が変わる。同じブランド、同じグレードのガソリンを入れているつもりでも、夏のガソリンと冬のガソリンでは気化のしやすさが違う。これは、気温の違いに対応するためであり、夏は気化しにくいガソリン、冬は気化しやすいガソリンを提供し、夏と冬で気化のしやすさに大差が生じないようにしているわけだ。だから、冬用のガソリンを夏に使うと気化しすぎ、夏用のガソリンを冬に使うと気化しにくいということになる。

夏のガソリンを冬に使うと、充分に気化せず、とくに気温の低い日には始動不良やカブり、出力低下などのトラブルが生じやすい。そうした問題を避けるため、石油会社では、夏用・冬用の2種類の他に、中間的な性状の春秋用を用意し、給油時期と使用時期がズレても大きな問題が生じにくいようにしている。ところが、夏に給油したまま全然乗らず、そのまま冬のツーリングに出かけたとすると、夏用のガソリンを冬に使うことになる。

それとは別に、タンク内の錆防止のためには、なるべくたくさんガソリンが入った状態で保管したいが、その時期に合わせた性状のガソリンを入れて走るためには、保管中のガソリンは少なめにしておきたいというジレンマが生じる。そこで、頻繁に乗らない(保管期間が長い)人には、保管中(とくに冬場)の錆対策は別の方法で行い、タンク内のガソリンはなるべく少なめにし、久しぶりのツーリングには給油したてのガソリンで走っていただきたい。

ガソリン残量が少ないとタンク内が錆びやすいのは、タンク内の空気に含まれた水分が結露するからなので、冷えすぎないようにすれば良いわけだ。屋根のあるところに停める、カバーをかける、保温材でタンクをくるむなどの対策は、どれも効果がある。細かい話をすれば、ガソリンが減った分だけ空気が入ってくるのだから、前回走ったときの天気によってもタンク内の結露しやすさは変わる。もちろん、タンク内の空気は、湿度が低いほど結露しにくい。

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