“ハルノリカ”のふしぎ発見なんでもバイクライフ! 第4回:「オートマ」モデルに乗ってみたいな!

掲載日:2026年07月20日 フォトTOPICS    

まとめ/小松 男

現在最注目となっている人気モデル、まさかの「クラッチ操作いらず」!?

最近SNS上で話題となっているホンダの新型「CB400 SUPER FOUR E-Clutch(以下:CB400SF)」の情報を見ていたハルノリカは、ちょっとした違和感を覚えました。
「クラッチ操作しなくていいって、これってもうオートマってこと?」
そんな素朴な疑問を、様々なオートマチックモデルの試乗経験を持つダンさんにぶつけてみることにしました。

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2026年に登場した新型CB400SFは、ホンダE-クラッチ仕様のみでラインアップ。名機の復活としてはもちろん、クラッチ操作をしなくても走れる新しいミッションモデルとしても注目を集めています。

リカ● ダンさん! 今度発売される新型のCB400SFとCBR400Rは、
「クラッチ操作しなくていい」ということを知り、
ちょっとびっくりしちゃいました。

ダン●ああ、それはホンダの「E-クラッチ」というシステムだね。
確かにあの2台は、E-クラッチ仕様のみでラインアップされるんだったね。

リカ● ええっ、じゃあ完全にオートマってことですか……?
スクーターみたいに?

ダン● 一言で「オートマ」と言っても、仕組みにはかなり種類があり、それぞれ結構違う。
それに、モーターサイクルの自動変速の歴史って、実はかなり深いんだよ。

ホンダは創業期からずっと「オートマ化」に挑戦してきた

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1960年代のホンダ「ジュノオ M型(M85)」。当時から自動遠心クラッチを採用し、ホンダの“オートマ好き”を象徴する一台として知られています。

リカ● そうなんですか? 
オートマのバイクって、最近増えてきた印象だったんですけど。

ダン● いや、ホンダは創業期からずっとオートマ化を進めてきたメーカーなんだ。
「ジュノオ M型」の頃にはすでに自動遠心クラッチを採用していたし、スーパーカブの遠心クラッチも、広い意味では自動変速機構のひとつと言える。
1977年に登場した「エアラ」は4輪車で普及していたトルクコンパーターを採用した初のオートマ大型バイクであったり、
翌年には同じくオートマの「ホークCB400T」も発表しているんだよ。

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初代スーパーカブC100。クラッチ操作を必要としない自動遠心クラッチは、世界中で愛される理由のひとつにもなりました。

リカ● 確かに、カブってクラッチ操作しないですよね!
言われてみればあれもオートマの一種なんですね。

ダン● そういうこと。
その後、Vベルト式の無段変速機(CVT)を積んだ原付スクーターが台頭して、
さらにはビッグスクーターが流行するなどし街はスクーターで溢れかえるようになった。

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ヤマハの大型スクーター「TMAX」シリーズはCVT方式を採用し、長年ビッグスクーターの代表格として人気を博しています。

リカ● あ、2000年くらいにビッグスクーターが流行った、みたいな話、聞いたことあります!

ダン●そうそう、忘れちゃいけないのがそこだね。
2000年前後の“ビッグスクーターブーム”のときに、AT限定の普通自動二輪免許も誕生したんだ。
オートマのバイクが、免許制度にまで影響を与えたということだよ。

でも「ミッションを操る楽しさ」は、なかなか手放せなかった

リカ● でも、スクーターとかカブとかは分かるんですけど……
いわゆる「バイクらしいバイク」にオートマってあんまり浸透してないですよね?

ダン●鋭いね。実はそこが長年の壁だったんだ。
モーターサイクルを好むライダーは、自分の意思でミッションを選ぶ楽しさを知っていて、それを求めている。
だからこそ、いくらオートマ技術が進化しても、なかなかすんなりとは受け入れられてこなかった。

リカ● なるほど……。乗り物として便利かどうかより、「操る楽しさ」の方が大事なんですね。

ダン● その通り。
でもここ数年で、その空気が少しずつ変わってきているんだ。

DCTは「ライダーの意思」を汲み取るまでに熟成した

リカ● 変わってきた、というと?

ダン● まずホンダのDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)。
これは熟成が進んで、今ではまるでライダーの意思が分かるかのように自動で変速をしてくれるようになった。

リカ● へぇ〜! 最初の頃とは違うんですね。

ダン● そう。技術がライダーの感覚に近づいてきた、というのが大きいし、実際に乗ってみると驚くほど綿密に制御されていることがわかる。

一方の「E-クラッチ」は、“MTの進化形”としてすんなり受け入れられている

リカ● じゃあ、E-クラッチはどう違うんですか?

ダン● E-クラッチの一番のポイントは、クラッチレバーがちゃんと残っていることなんだ。
発進や停止、シフトチェンジのときに、クラッチのつなぎ方を電子制御で自動化してくれるんだけど、
レバーを握れば普通のミッション車と同じように半クラッチ操作もいつでもできる。
つまり「クラッチ操作をしなくてもいい」だけであって、
「クラッチ操作ができない」わけじゃないんだ。

リカ●あ、じゃあ新型のCB400SFにも、ちゃんとクラッチレバーは付いてるんですね!?
てっきり無いのかと思っちゃいました。

ダン● そうなんだ。シフトペダルの操作も、これまで通りライダー自身が行う。
変速のタイミングを決めるのはライダー自身のままで、そこにクラッチワークの自動化だけが加わったイメージだね。
「MT車をAT化する」というより、「MTの操る楽しさを残したまま熟成させた」技術と言った方が近いかもしれない。

リカ●なるほど……! 
クラッチを“使わない”という選択肢が増えただけで、ミッション車であることは変わらないんですね。

ダン● そういうこと。
だからこそ、これまでMT車に乗ってきたライダーからも違和感なく受け入れられているんだと思うよ。
もうこのシステムが主流になると、メーカー側も踏んだんだろうね。
だからこそ、新型CB400SFやCBR400Rが、あえてE-クラッチ仕様のみで展開されているんだ。

リカ●なるほど……。
普通自動二輪免許クラスにも、どんどんE-クラッチモデルが増えてきている気がします。

ダン● その通り。俺自身、そこには時代の潮流を感じているよ。

「AT限定免許」で乗れるもの、乗れないもの

リカ●そういえば、AT限定免許ってありますよね? 
オートマっぽいバイクなら、なんでもAT限定免許で乗れるものだと思ってました。

ダン● そこがまた奥が深いところなんだ。
免許区分を分けているのは、実は「シフト操作の有無」じゃなくて「クラッチ操作の有無」なんだよ。
クラッチレバーが付いていて、ライダーがクラッチを操作できる構造になっていれば、
たとえ普段まったく握らなくても、法律上はMT車として扱われる。

リカ●えっ! じゃあ、さっき聞いたE-クラッチは……

ダン● そう、実はクラッチレバーが残っているE-クラッチ搭載車は、AT限定免許では運転できないんだ。
乗るには、その排気量に対応する“限定なし”の自動二輪免許が必要になる。

リカ●そうなんですね……! 
クラッチ操作しなくていいって聞いたから、
てっきりAT限定免許でも乗れるものだと思ってました。

ダン● 逆に、クラッチレバーそのものが存在しないDCTは、AT限定免許でも運転できる。
スーパーカブのような自動遠心クラッチの原付・小型二輪や、CVT式のスクーターも同じ理屈でAT車の扱いだよ。

リカ●なるほど! 「クラッチレバーがあるかないか」で分かれるんですね。

世界のメーカーも、次々と「クラッチレバーのない自動変速」に参入している

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BMW MotorradのASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)はクラッチレバーを持たない構造。電気機械式アクチュエーターがクラッチと変速の両方を自動化しています。

リカ●ホンダ以外のメーカーはどうなんですか?

ダン● ヤマハには「Y-AMT」がある。
Y-AMTでは、クラッチレバーもシフトペダルも備えず、ハンドル左側のスイッチボックス上にあるシーソー式レバーでシフトアップ/ダウンを行う「MTモード」と、
変速まで自動化する「ATモード」を切り替えられるんだ。
クラッチレバーが存在しないから、こちらはAT限定免許でも運転できる。
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任意にギアを選べるMTモードの他、街中では穏やかな「D」、峠道ではレスポンスのよい「D+」と、道路状況や好みに応じてシフトプログラムを選べるのもY-AMTの特徴です。

リカ●シーソーレバーでシフトするなんて、なんだか近未来的ですね!
それにAT限定免許で乗れるのは嬉しいライダーも多そうです。

ダン● BMWのASAもよくできているよ。
二つの電気機械式アクチュエーターがクラッチとギアシフトの両方を自動化していて、クラッチレバーそのものが存在しない構造なんだ。
だから国内ではAT限定免許でも運転できる。
まだ体験してないんだけど、国内でのデリバリーを控えているBMW・F450 GSに採用された「ERC」という新しい機構もあって、
その技術説明を受けたところ今後は同様の考え方を他メーカーも取り入れていくことを俺は予想しているよ。
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BMWの新しい自動変速機構「ERC」の刻印が入ったF450GSのクランクカバー。ダンさんもまだ試乗経験はないものの、今後の展開に注目しているシステムだということです。

リカ●なんだか一気にいろんなシステムが出てきて、頭がこんがらがりそうです……!

ダン● 名前を全部覚える必要はないよ。
大事なのは「クラッチレバーを残すか、なくすか」、
それによって「AT限定免許で乗れるか、MTの免許が必要か」が決まる、というシンプルな軸で見ること。
そう考えると、意外と整理しやすいんだ。

「選べる」ということを、素直に楽しめばいい

リカ●なるほど……!
じゃあ結局、これからはオートマばかりになっちゃうんですか?

ダン● オートマモデルに関しては、昔から賛否両論あるし、それは今も変わらない。
でも、最近はようやく受け入れる側の態勢も整ってきたんだと感じているよ。

リカ●態勢が整ってきた、というと?

ダン● クラッチレバーを残して操る楽しさをそのままにするか、レバーごとなくして誰でも扱いやすくするか。
免許の面も含めて、その人の乗り方に合わせて選べるようになったこと自体が、大きな進歩だと思うんだ。
ミッション操作を楽しみたい人はそのままでいいし、AT限定免許のライダーにも選択肢が広がってきている。
選べる幅が増えることを、素直に受け入れるべきだと俺は思っているよ。

リカ●選択肢が増えるのはいいことですもんね!
私も次にバイクを選ぶときは、免許のことも含めてちゃんと調べてみます!

ダン● それがいい。できることなら、色々な機構を乗り比べてみると、さらなる発見があるはずだよ。

■ハルノリカ プロフィール

神奈川県厚木市出身、2003年4月4日生まれ。明るく元気な性格で、思い立ったらすぐ行動するタイプのバイク女子。現在はフリーターとして働きながら、愛車とともに日常からツーリングまで幅広くバイクライフを満喫中。初心者ならではの素朴な疑問と中級者へと成長していくリアルな視点が持ち味。

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