掲載日:2026年05月22日 フォトTOPICS
取材協力/トライアンフ モーターサイクルズ ジャパン 取材・文・写真/小松 男

男性の健康支援を目的に、前立腺がん研究およびメンタルヘルス研究への寄付金を募るチャリティイベント「The Distinguished Gentleman’s Ride 2026(DGR=ディスティングイッシュド・ジェントルマンズ・ライド)」が、2026年5月17日(日)に世界各国で同時開催された。
クラシカルなスーツやジャケット、ネクタイ、ドレスなど、オールドファッションに身を包んだ紳士淑女たちが、トラディショナルなモーターサイクルで街を駆け抜ける――。単なるツーリングイベントとは異なる、上品で独特な世界観もDGRの大きな魅力である。
日本国内でも各地でDGRが開催されたが、その中でも特に大規模な会場となったのが、葛西臨海公園内「カヌー・スラロームセンター」を舞台に行われたTOKYO CENTRALだ。
今回は恒例のパレードランに加え、トライアンフのニューモデルである「スラクストン400」「トラッカー400」の国内初一般試乗会を実施。さらにライブパフォーマンスや、プロカメラマンによるチャリティフォトシュートなど、多彩なコンテンツが用意され、例年以上の盛り上がりを見せた。
当日は天候にも恵まれ、会場には朝から多くの参加者が集結。バイクを愛する人々の熱気と笑顔に包まれた、2026 DGR TOKYO CENTRAL。その一日の様子をレポートしていこう。


恒例となっているパレードラン。安全面を考慮し、30台程度のグループでの走行となるが、それでも正装姿のライダーの塊が走る様子は圧巻であり、見る者の目を奪う。

10年ほど前に開催された最初のDGRから数度参加した経験があるが、初回の30台くらいから始まり、徐々に台数が増えていき、現在では1000台近くものバイクが集まるイベントまで成長した。

参加費は基本無料ではあるが、イベント受付場所にはチャリティの寄付金箱が用意されている。集められた募金は前立腺がん研究とメンタルヘルス研究を支援するための資金となる。

DGRはトライアンフが協賛しているということもあり、特別に、話題のニューモデル、スラクストン400とトラッカー400の日本最速一般試乗会も行われた。


会場内には特設フォトブースが設置され、プロカメラマンによるプレミアム・チャリティ撮影会を開催。撮影料3000円で別途額装も受け付けていた。なお、このほかにも会場の様子をまとめたメモリアルフォトブックの予約販売もされる。

DGRは会場内に置かれた参加車両を見て回るだけでも楽しい。カフェレーサースタイルにカスタムされたホンダ・CB。FCRキャブレターに換装され、気持ちよく走れそうだ。

DGRには多種多様なメーカーのバイクが参加する。その中にはハーレーダビッドソンの姿も見られる。紳士的なスタイルとの相性も良い。

仲間同士で誘いあって参加されることはもちろん。一人で参加しても楽しいDGR。常連組の中には毎年会場で顔を合わせるライダーもいて、カルチャーとして根付いてきた。

パートナーと紳士的なスタイリングでコーディネートを楽しんで、タンデムで参加されている方の姿も多くみられる。数多くあるバイクイベントの中でも、特別な雰囲気がある。

DGRが行う取り組みに共感・協賛する様々な企業がブースを出展。ライディングギアやアパレルから、ツーリング向けパックを用意する宿泊施設などまで、その幅は広い。

DGR Street Liveでは、バイク雑誌『MOTO NAVI』を創刊、編集長を務め、バイクイベントなどでも長らく音楽活動を行う「河西 啓介」さんがギター1本で熱唱!

スマートライディングレクチャー・安全講習などを行う佐川健太郎さんと 、バハ1000完走歴も持つ二輪ジャーナリストの川崎由美子さんによる【DGRのたしなみ講座】。

モーターサイクルカルチャーをテーマにしたライダーにも人気のユナイテッドカフェも出店。なんと、同店のおいしいホットコーヒーが無料でふるまわれた。

英国由来のイベントだからというわけではないが、ヴィンセントのヴィンテージモデルは、DGRの会場においてもとてもマッチしている。

DGRの公式スポンサーでもあるヘルメットブランド、「へドン」を取り扱うモトリモーダのブースでは、DGR公式の限定バッグなども販売されていた。

BMWの初代Kシリーズも、今となってはなかなか見かけなくなった。今となっては珍しい縦置きクランクマルチエンジンも、DGRの会場になじんでいた。

フォトグラファーの霧島ローランド氏による特別撮影権や、出店ブース企業をはじめに様々なブランドからの提供されたものでチャリティオークションが行われた。
私自身、DGRの黎明期に何度か参加したことがある。当時は“有志によるチャリティライド”という色合いが強く、第一回目は全国から30台ほどが集まった小規模なイベントだったと記憶している。
しかし、その独特な世界観や理念に共感するライダーたちの口コミによって、DGRは少しずつ広がりを見せ、年を追うごとに参加台数も増加。いまでは世界的なムーブメントとして、多くの人々に認知される存在となった。
正直な話をすると、DGRがスタートした当時、40歳前後だった私は「前立腺がん」や「男性のメンタルヘルス」というテーマに対して、どこか実感を持てずにいた。しかし年齢を重ねるにつれ、周囲にも同様の悩みや病気と向き合う人が現れ、以前とは違った視点でこのイベントを見られるようになった。
そんな中、久しぶりに参加したDGRは、とても新鮮に映った。
何より素晴らしいと感じたのは、“楽しいバイクイベント”でありながら、その時間そのものが自然とチャリティにつながっていることだ。気負うことなく参加し、仲間と笑い合い、愛車とともに走る。その行動が、誰かの支援へと結びついていく。DGRには、そんな優しさがある。
DGRは世界同日開催というスケールで行われ、日本国内でも各地でさまざまな取り組みが行われている。今回紹介したTOKYO CENTRALは、その中でも特に大規模な会場ではあるが、きっと全国どの会場でも、参加者たちは同じような一体感や温かさを感じていたはずだ。
バイク文化というものは、速さや性能だけでは語れない。人と人をつなぎ、社会との接点を生み出し、時には誰かを支える力にもなる。DGRは、そんな“ライダーによる新しい文化”として、確実に世界へ根付き始めているように感じた。
来年もまた、スーツに袖を通し、この特別な一日に参加したいと思う。








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