掲載日:2024年06月17日 フォトTOPICS
写真/伊澤 侑花 取材・文/増谷 茂樹
【この記事の目次】
■千葉フォルニア
■燈籠坂大師
■金谷食堂でアジフライを味わう
■崖観音からの絶景に感動
■千葉名物のピーナッツソフトクリーム
■房総フラワーラインを走る
■野島埼灯台から太平洋を望む
スタート地点に選んだのは、近年”千葉フォルニア”と呼ばれているスポット。袖ケ浦海浜公園前の海浜公園通りのことを指しますが、ヤシの木が並ぶ風景がカルフォルニアを思わせることからそう呼ばれているようです。東京から房総を目指すには、アクアラインを渡って行くルートと、船橋や習志野のほうから東京湾を回って行くルートがありますが、どちらのルートからもアクセスしやすいことから、ツーリングの起点にはなりやすい場所です。
バイク乗りにも知られたフォトスポットですが、最近では路上駐車や路上での撮影を禁止する垂れ幕も……。そのため、公園の駐車場で記念撮影をして、房総方面に向けて出発しました。今回のツーリングに使用したのはスズキのGSX250R。フルカウルのスーパースポーツのようなルックスですが、乗車姿勢はリラックスしたもので、実はツーリングにも向いているモデルです。
袖ケ浦海浜公園
住所:〒299-0268 千葉県袖ケ浦市南袖36
まず向かったのは燈籠坂大師(とうろうざかだいし)の切通しトンネルです。ここも一部のライダーの間ではフォトスポットとして知られた場所で、高さ10mにおよぶトンネルは確かに壮観。元は明治〜大正期に手掘りされたトンネルを、昭和初期に鋸山の石切の技法を使って切り下げ工事が行われ、現在のかたちとなったとのことです。
このトンネルはその名の通り燈籠坂大師の参道の一部で、通り抜けると大師堂へ登って行くことができます。大師堂へのルートは階段になっていて、勾配が急な男坂と、やや遠回りですが少し緩やかな女坂に分かれています。バイクを駐めるスペースがあまりないので、混んでいる場合は譲り合う必要がありそうです。
大師堂まで登ると、眼下に絶景が広がります。手前には内房線の線路が走り、遠くに海が見渡せる景色は写真に収めたくなる人も多いはず。タイミングよく内房線が走っていれば、電車好きにもいいフォトスポットになるでしょう。
せっかくなので大師堂にお参りしておきました。ちなみに、ここは東善寺という富津市内にあるお寺の飛地境内地とのことです。
燈籠坂大師
住所:〒299-1622 千葉県富津市萩生3-2
切り通しトンネルから10分ほど海沿いを走って、向かったのは金谷港。ここは東京湾フェリーの発着点にもなっていて、海を渡って三浦半島の久里浜に行くこともできます。フェリーにはバイクでも乗ることができるので、そういうツーリングも面白そうだなと思いながら、今回の目的である少し早めの昼食へと向かいます。
目指したのは地元でも有名な金谷食堂。ここのアジフライを食べたいと思っていたのです。人気店でお昼時には混むということだったので、早めに訪れてみました。注文したのは房総フライ定食。ほかにもお刺身の定食や海鮮丼など美味しそうなメニューが並びますが、この定食に入っている黄金アジのフライが絶品。肉厚なアジにカリッとした衣の組み合わせがたまりません。ほかにも地魚のフライも入っているので、ボリュームも満点でちょっと食べすぎたかなと思うほどでした。
金谷食堂
住所:〒299-1861 千葉県富津市金谷2152-12
営業時間:10:30〜18:30(土日は19:30まで)
電話番号:0439-69-8885
続いて目指したのは”崖観音”として知られる大福寺。文字通り崖に張り付くように建てられている赤を基調とした本堂はなかなかの存在感です。本尊である観音像は717年に彫られたといわれており、地元漁民の海上安全と豊漁を祈願したもの。山の岩肌の自然石に彫られた十一面観世音菩薩は「崖の観音様」として地元の人たちに信心されてきました。
下から眺めているのもいいですが、どうせなら実際に登ってみることにしました。高いところにありそうですが、階段を登ってみると意外と大変ではありません。そして、崖の上に位置するだけあって見晴らしは格別! 相模湾まで見通すことができて、漁民たちの信心を集めてきた理由がわかるような気がしました。
見晴らしがいい上に風も気持ちよくて、登りきったところにあるベンチでしばらく過ごしていました。もちろん、お参りをしてから降ります。本堂の中から見える海もなかなかの眺めでした。初めて訪れましたが、ツーリング中に立ち寄ってみる価値があるスポットです。
大福寺
住所:〒294-0056 千葉県館山市船形835
営業時間:8:30〜16:30
館山の市街地を抜けて向かったのは木村ピーナッツ。千葉県の名物として知られるピーナッツ(落花生)ですが、栽培から製造、販売まで一貫してやっているのはここだけなのだとか。店内にはお土産も色々販売していて、次々にお客さんが訪れています。バイク用の駐輪場も整備されているので、ライダーも立ち寄りやすいスポットです。
このお店の一番人気なのは、ピーナッツを使ったソフトクリーム。ツーリングしていると、なぜかソフトクリームが食べたくなりますよね。せっかくなので、食べてみることにしましたが、これがとても濃厚で美味しい。ピーナッツの香りがするのかな? くらいに思っていたら、ピーナッツそのものを食べているような味わいでした。ほかではなかなか出会えない味なので、ぜひ房総に行ったら立ち寄ってもらいたいところです。
木村ピーナッツ
住所:〒294-0048 千葉県館山市下真倉236-3
営業時間:9:00〜18:00
電話番号:0470-23-4823
館山からは房総フラワーラインを走ります。このルートは「日本の道百選」にも選ばれていて、海沿いに伸びている道で少し内陸に入ったところは、その名の通り季節の花の中を走れます。春にかけては菜の花、夏にはマリーゴールドが咲くらしいのですが、残念ながら今の季節は何も咲いていませんでした…。ただ、海沿いの部分は見晴らしが良くて気持ちいい。晴れていれば、海の向こうに富士山や大島なども見えるそうです。
ツーリングの最終目的地に選んだのは、房総半島の先端に位置する野島埼灯台。明治2年に建てられた、日本では2番目に古い灯台なのだとか。全国に16基ある「のぼれる灯台」の1つでもあり、広大な太平洋と、相模湾ごしの富士山も望める景観スポットです。
資料展示室も併設されていて、そこで歴史を学んでから登るのがおすすめ。開国の際の条約によって建設を約束した洋式灯台の1つであるとか、関東大震災の際に地上6メートルで折損して倒壊、現在の姿に復旧されたとか知ると、馴染みの少ない灯台も身近に感じられます。
高さ29mというと、大したことないように感じられますが、階段で登って行くとなかなかの高さです(今回、階段登ってばかりだな……)。ただ、その分景色は素晴らしい。太平洋に飛び出しているような地形に建てられているので、海の広さが感じられます。晴れていれば富士山も見えるそうなので、ちょっと雲が恨めしく思えました。
周辺は公園になっているので、降りた後に散策してみました。海岸の岩の上を歩いてみたり、その上に設置されているベンチでくつろいだり。このポイントは、太平洋からの日の出と、富士山の向こうに沈む夕日のどちらもが見えるそうなので、その時間帯にまた訪れてみたくなりました。
野島埼灯台
住所:〒295-0102 千葉県南房総市白浜町白浜630
営業時間:9:00〜16:30(土日は8:30〜17:00)
房総半島というと、身近なツーリングスポットだと思っていましたが、改めて訪れてみるとまだまだ知らない魅力が色々とあるのだと実感できました。都内からだと、距離的にもちょうどいいところにありますし、走っていて気持ちのいいルートも多い。ツーリングシーズンの今、ぜひ出かけてほしい場所です。
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