伝統のブランドが復活!カワサキ メグロK3メディア向け発表・説明会レポート

掲載日:2020年11月20日 フォトTOPICS    

取材協力/カワサキモータースジャパン 取材・文・写真/野岸“ねぎ”泰之

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今回のプロモーションのために特別に製作された4×3mの大型看板を背に、メグロK3が披露された。

カワサキ大型バイクのルーツとなった500メグロK2
その後継モデルが現代の技術で誕生

2020年11月19日、株式会社カワサキモータースジャパンは2021年2月発売予定のニューモデル『MEGURO K3(メグロ ケースリー)』のメディア向け発表・説明会を開催した。

メグロブランドのビッグバイクとして最後のモデルであり、カワサキW1など、同社大型バイクの基礎となった車両がカワサキ500メグロK2だ。メグロK3はその後継モデルとしての位置づけで、W800をベースに高度な塗装技術が要求される銀鏡塗装とハイリーデュラブルペイントを施したフューエルタンク、アルミ型押し成型に職人が手作業で塗装したオリジナルエンブレムなどを使用。メグロの歴史を引き継いだ高級レトロモデルとして仕上げられている。

会場となったのは2020年5月に東京都世田谷区にオープンしたカワサキプラザ東京等々力。同店は全国に70店舗あるプラザネットワークの旗艦店として次世代カワサキモーターサイクルの様々な情報を発信し、体感できる試験店としての役割も担っている。

冒頭であいさつに立ったカワサキプラザ東京等々力のゼネラルマネージャー、林亮二氏は「メグロ創業の地に近い当店は、メグロというブランドの復活を披露するのに最適の場所」とこの場所でメグロK3を発表することの意義を述べた。

続いてメグロK3のPR担当である川崎重工業株式会社モーターサイクル&エンジンカンパニー営業本部マーケティング部マーケティング課の奥村和磨氏が登壇。「今回あらためてカワサキからメグロK3をリリースすることは、日本のモーターサイクルの歴史と伝統を再認識し、その血脈を途絶えさせないというカワサキの決意を表すもの。さらに、カワサキモーターサイクルのルーツが航空機製造にあり、性能への強いこだわりを持ち続けることの意思表示でもある」と言葉を述べた。

今回のプロモーションのため特別に製作された看板の前で、ゼネラルマネージャーの林氏がアンベールを行い、メグロK3がその姿を現すと、メディア関係者はその美しさに目を奪われながら盛んにカメラのシャッターを切っていた。

全貌を現したメグロK3の前で、デザイン担当である川崎重工業株式会社モーターサイクル&エンジンカンパニー技術本部デザイン部CMF課猪野精一氏は、「このマシンは単なるモーターサイクルではなく、メグロそのものを体現するアイコン。特に銀鏡塗装を施したフューエルタンクはその象徴。また、繊細な質感とレトロ感を表現したエンブレムにも注目していただきたい」と述べた。

その後に行われたトークショーでは、マーケティング担当の奥村氏、デザイン担当の猪野氏に加え、ゲストとしてメグロK3のプロモーションビデオに出演した株式会社カドヤの服飾デザイナー、市島慎司氏が登壇。メグロK3を企画するにあたっての秘話やデザインにおける苦労点、プロモーションビデオ撮影時の裏話などが語られた。

カワサキプラザ東京等々力では2020年11月20日(金)~2020年11月24日(火)、5日間限定で「MEGURO K3 店頭特別展示イベント」を開催。カワサキ500メグロK2やメグロジュニアS2などの名車も合わせて展示される。また、兵庫県神戸市のカワサキワールドにおいても、12月1日(火)から当分の間、メグロK3が展示される予定だ。気になる人はぜひこの機会に実物を見て、その美しさを確かめてみよう。

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発表会の舞台となったカワサキプラザ東京等々力は、木目とガラスを多用した外観が目を惹く。全国のプラザネットワークの旗艦店として様々な情報を発信していくという。

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カワサキプラザ東京等々力のゼネラルマネージャー、林亮二氏。

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川崎重工業株式会社モーターサイクル&エンジンカンパニー営業本部マーケティング部マーケティング課の奥村和磨氏。

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発表会は午前、午後の2回に分けて行われた。午前の部ではプラザ東京等々力の林氏がアンベールを行い、午後の部では株式会社カワサキモータースジャパン代表取締役社長 寺西猛氏が担当した。

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披露されたメグロK3を前に、デザインの特徴などを解説する川崎重工業株式会社モーターサイクル&エンジンカンパニー 技術本部 デザイン部CMF課の猪野精一氏。

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トークショーでは株式会社カドヤの服飾デザイナーである市島慎司氏をゲストに迎え、車両製作上の苦労やプロモーションビデオ撮影時のエピソードなどが語られた。

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「メグロK3のプロモーションは、モノクロ写真をはじめ“エモい写真”を多用しつつトラディショナルな方向に突き抜けよう、と決めていました」と奥村氏。

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「銀鏡塗装という高度な技術を必要とする塗装を使って独特の雰囲気を出しつつ、昔のメグロのテイストを継承する。これはうまく表現できたと思います」と猪野氏。

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カドヤの市島氏はプロモーションビデオの撮影に関し「メグロの工場があった那須烏山で撮影に臨んだんですが、当時実際に車両を製作されていた方に出会うなど、とても貴重な経験をさせていただきました」と語った。

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高度な技術を要する銀鏡塗装はメッキよりも深みがあり、光や見る角度によっても表情が変わるなど、質感が高く趣のあるものとなっている。

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空冷バーチカルツインエンジンを特徴づけるベベルギヤのカバーには、ワンポイントとして赤色を使うことで個性を一層際立たせている。

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メグロのクラシカルな雰囲気をイメージし、リアのツインショックにはカバーが付けられている。サイドカバーにはメグロのロゴが入る。

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2眼のアナログメーターはメグロのロゴ入り。メーターリングはステンレス製で、黒色酸化皮膜処理によって金属の質感を強調している。

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オリジナルエンブレムはアルミ型押し成型に職人が手作業で塗装を施したもの。

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カワサキプラザ東京等々力の店内には、メグロK3オリジナルアイテムやメグロ製作所時代の懐かしい写真なども展示されている。

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メグロK3とともに特別展示されるカワサキ500メグロK2。1965年製で、のちに650W1のベースになる名車だ。

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こちらも特別展示される1954年製造のメグロジュニアS2。大排気量が得意とされるメグロだが、戦後の免許制度の変更により需要が見込まれた250ccクラスにも進出した。カワサキのエストレヤのルーツともいえるモデルだ。

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