掲載日:2010年10月19日 フォトTOPICS
取材・文/バイクブロス×ケニー佐川 撮影/ バイクブロス×マガジンズ編集部 取材協力/ブライトコーポレーション
ZZR1400とは趣を異にするフロントマスク。大型2灯はローとハイでセンターの小型2灯はポジションランプ。左右には控えめなラムエアダクトが見える。無段階調整式電動スクリーンを装備。
初代1400GTRが「クロスコンチネンタルスーパースポーツ」のコンセプトを掲げてデビューしたのが2007年。荷物を満載していかに快適に長距離を高速移動できるかを追求した“大陸横断ツアラー”としての資質と、ワインディングでのエキサイティングな走りを楽しめるスーパースポーツ並みの性能を兼ね備えた新たなジャンルへの挑戦だった。狙いは欧州。BMWの直4系ツアラーの代表格であった当時のK1200GTをライバル視して開発されたのは誰の目にも明らかである。ただし、ネーミングを見ても分かるとおり、GT(グラントゥーリスモ)にあえてRを加えているところにメガスポーツ、ZZRシリーズを世に送り出してきたカワサキとしての自信が垣間見えるようだ。
実際のところ、エンジンと車体は世界最速を誇るZZR1400そのものである。低中速寄りにリセッティングされた直4水冷1,352ccユニットを同じアルミモノコックフレームに搭載し、ツアラーとしての快適装備を付加したのがGTRといっていい。しかしながら、ディテールをつぶさに観察するほどにこのマシンの独自性が際立ってくる。大型のフルカウルや電動スクリーン、パニアケースを標準装備し、駆動方式はシャフトドライブに変更。さらに今回の2010年モデルではマイナーチェンジが施され、空力フォルムを改良するとともにトラクションコントロール(KTRC)や前後連動ABSシステム(K-ACT)といった、電子制御技術を駆使した先進のセーフティデバイスを新たに投入している点に注目したい。それでは、より洗練され快適性と安全性を高めたニューGTRの素顔に迫っていこう。
今週公開の試乗インプレッションに先立ち、今回は1400GTRのディティールをフォトトピックスでお届けしよう。
01GTR専用にデザインされたマフラーはパニアケース装着を前提としたもの。ZZRの2本出しに対してこちらは右側1本出しタイプ。
02タンデムを想定したダブルシートはZZRに比べると肉厚で座面も大きく本格的な作り。トップケースは持たないが多目的に使えるリヤキャリアを標準装備。
03フルフェイスヘルメットも楽々収納できる、片側10kgまで積載可能なパニアケースを標準装備。ケースの開閉および着脱もレバーでワンタッチだ。
04ZZR同様ペータルタイプのダブルディスクとラジアルマウントキャリパーの組み合わせ。前後ブレーキに理想的な制動配分を行うK-ACT ABS(カワサキ・アドバンスド・コアクティブブレーキング・テクノロジー・ABS)を装備。
05シャフトドライブ特有のテールリフトを抑えるテトラレバーリヤサスペンションを搭載。BMW等と異なり左右にアームを持つのが特徴だ。
06リヤサスには油圧リモート式プリロードアジャスターを採用。タンデムライドや荷物を積載する機会の多いツアラーには嬉しい装備だ。伸び側減衰も調整可能。
07フロントフォークはプリロードと伸び側減衰が調整可能。ダンパー用アジャスターは指で回せるダイヤル式になっている。
08ZZRと同様、液晶表示の大型マルチディスプレイを装備。走行距離、ツイントリップ、電圧、平均燃費、瞬間燃費などの他、タイヤ空気圧、エコライドモードなどを表示。
09無段階調整式のグリップヒーターを標準装備。本場ヨーロッパ向けの装備だが、日本の冬ならウインターグローブ無しで過ごせるぐらい効く。
10左側のスイッチボックスでモード操作を集中管理。メーター表示、電動スクリーン、K-ACTの連動レベル、後輪の空転を感知しエンジン出力を制御するいわゆるトラコン、KTRC(カワサキ・トラクション・コントロール)などをコントロール。
11通常のキーを使わずエンジン始動可能な電気式キー認証システムを採用。フューエルキャップ開閉とパニアケースロック用の通常タイプのキーも内蔵。
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