掲載日:2010年03月16日 フォトTOPICS
取材・文/バイクブロス×マガジンズ編集部 ナベ 撮影/バイクブロス×マガジンズ編集部 ムラヤマ 取材協力/本田技研工業、VFR1200F
VFR1200Fのメディア向け発表試乗会は千葉県房総半島のゴルフ場で行われた。プレミアム感漂うホンダのハイエンドモデルはどこに置いてもサマになる。
「今でも、ホンダの最高技術を投入したモデル、というポジションに変わりはないですか?」という私の問いに対して、「はい、間違いありません」と、ある担当者が発表会の会場で力強く答えてくれた。
そう、“V4(=V型4気筒エンジン)”は、やはりホンダテクノロジーの象徴であり、“VFR”は特別なブランドなのだ。1979年のワークスマシン「NR500」には楕円ピストンというホンダの執念が注入され、V4の歴史はそこから始まった。その後約30年間、V4を搭載した数々のモデルが販売されてきたがVFRは特別だ。その3文字は、いつの時代もホンダの最高技術が投入された市販車を意味していたからだ。
そして、欧州などで先行販売されていた最新のVFR1200Fがようやく日本仕様として凱旋を果した。VFR不在の国内ラインナップに不自然さと寂しさを感じていたファンも、これで溜飲を下げることができるに違いない。しかし、それだけにハードルも高いはずだ。今や世界一厳しいとも言われている日本の各種規制をクリアすることは容易ではなかったはずだが、VFRという符号に対する我々の期待は常に大きい。
果たして、数々の壁を突破して我々の前に姿を見せてくれたホンダテクノロジーの象徴は、どのような走りで楽しませてくれるのだろうか。18日の試乗インプレッションの公開に先立ち、VFR1200Fの詳細をフォトトピックスでお届けしよう。
01前2気筒が外側、後2気筒が内側に位置する左右対称シリンダー配置。ヘッドはユニカムバルブトレインによる4バルブSOHCを採用。スロットルバイワイヤの制御ユニットも見える。
02いつの時代もホンダV4のエキパイは美しく集合される。当然、トルキーなキャラクターに貢献する機能美である。MotoGPマシン同様の密閉負圧クランクケースを採用。
03今回発表されたMT車の場合、CBR1000RRと同形式のスリッパークラッチを搭載。注目が集まるデュアルクラッチトランスミッション搭載車も順次発売される予定だ。
04クランクケース左側。ラバーブーツの中身はプロペラシャフトのヨークジョイント。スイングアームの上下により発生する軸間変化はファイナル側の等速ジョイントが吸収。
05大小2つの排気口を持つマフラー。設定されたエンジン回転数に達すると排気デバイスが作動し上側のバルブが開く。空気の層を引っ叩くようなビートが楽しめる。
06歴代VFRが採用したプロアームはオフセットピボット式スイングアームへと昇華。マフラーを内側に追い込み、マスの集中に貢献。コンパクトなファイナルギアケースにも注目。
07新設計の6ポットキャリパー。コンバインドABSのコンビブレーキシステムにより、写真のフロント左側、一番上のポット1対だけがリアブレーキと連動し適切な制動力を発揮。
08サスペンションは前後ともにプリロードと伸び側ダンパーを調整できる。フロントは43ミリ径の倒立フォークでストロークは120ミリ。リアは130ミリ。乗り心地も良好だ。
09フェイズやCBR1000RRとも共通した近年のホンダらしい顔つき。CBR同様バルブ1本からワイドな光源が出現する。ライト両サイド“X”状のスリットはエアインテークだ。
10どこか和服の襟元を思わせるレイヤード構造のフェアリング。フレッシュエアの吸入・排出、エンジンのヒートマネジメントなどを担う。開口部が一切なく、官能的デザインにも貢献。
11表皮一体発砲クッションシート。国内仕様はいわゆる“ローシート”だが居住性は高い。剛性感溢れるグラブバーはタンデムを追求した証。パニアケースはステー無しで装着可能。
12複雑なカーブで構成されるタンク周辺。ハンドルを切ったときのクリアランスがやや少なく、Uターンでは気を遣う。アルミフレーク入りのキャンディカラーは高級感抜群。
13オプションのスポーツスクリーンとサイドディフレクター。ウインドプロテクションを向上させ、グリップヒーターの威力も増す。多くのオーナーがチョイスするに違いない。
14素材やデザイン、太さなどはノーマルと同等ながら、ビルトインされたコントローラーや指先側を高い温度とするなど、さまざまな特徴を持つスポーツグリップヒーター。
15メインスタンドもオプション設定。踏み込むレバーの位置や長さなどが適切で、重量級の車体も軽々と上がる。「フル積載」も考えられるので標準装備として欲しかったが…。
16車両とセットで開発されたトップボックスとパニアケースは、全てイグニッションキーで開閉可能。トップボックスの取り付けベースにはダンパーが内蔵され振動を軽減する。
17砂埃が多い周辺道路でも新型V4の駆動力は抜群。256度→104度→256度→104度という独特の不等間隔爆発がタイヤを介して路面を掴む。開けた時のビート感もたまらない。
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