掲載日:2009年09月09日 フォトTOPICS
取材協力/MCFAJ 撮影/Zeppan BIKES編集部 取材・文/土山 亮
雨が降ってしまうとライダーにとっては厳しい状況となるFISCOのストレート。しかしこの日は晴天に恵まれ、日中は30度近い気温となった。
2009年9月6日、晴天に恵まれた富士スピードウェイでMCFAJ主催のクラブマンロードレースが開催された。当日は市販車によって行われるプロダクションクラスや市販レーサーによるGPクラス、更に市販車を改造したマシンで行われるC.O.T.Tクラス、更にはMAX10耐久やサイドカーレースを含め、数多くのレースが開催される。中でも往年の名車が数多く集う、LOC(Legend Of Classic)は国内のクラシックレースファンにとって見逃せないプログラムである。クラシックレーサーを走らせるイベントは他にもあるが、このLOCはれっきとしたレース。それゆえ見る者にとっては、貴重なマシンの本気全開サウンドが楽しめる数少ないイベントといえるだろう。
01パドックのあちこちに貴重なマシンが並べられている。これは、スペシャルフレームとして名高いシーリーのフレームに、BSAゴールドスターのエンジンを積んだSEELEY GOLDSTAR。
02愛知県の英車ショップ グラッドストーン・モーターサイクルズ が持ち込んだトライトン。フロントブレーキをディスク化し、更にRKのブラックリムやCRキャブで武装してはいるが、トライトンの雰囲気をうまく残してある。往年のスタイルを残す車両もあれば、個性的な車両も数多く集まる。
03レース時にはフルカウルでエンジンが良く見えないマシンでも、予選前にパドックをうろつけばこういった風景を目にすることが出来る。これは関西のマニアが持ち込んだCB500R。各部に手が加えられてはいるが、ベースはRSCが全日本を走らせていた由緒正しきマシンである。
04暖気場に足を運べば各車のサウンドがより身近に感じられるはずだ。写真の車両は、広島のバンカラが持ち込んだ’51 WR。その美しい姿はここでも注目の的だった。尚、このマシンの詳細は、9月27日発売のHOTBIKE 110号でも詳しく紹介するそう。乞うご期待!!
05旧車レースでも昔からトライアンフエンジンの人気は高い。LOCでもユニット・プリユニット(別体ミッション)問わず様々なトライアンフを目にすることができる。手前はプリユニットを積むトライトン、奥に見えるイーブル・ニーブル風カラーを纏うのは、ユニットエンジンのT140だ。
06決勝前に行われる予選は、ピットエリアから各車順次スタートする。LOCの大排気量クラスでは英車が多いが、最近では車両規定の変更により国産車も出走可能に。写真右のCB750R風にモデファイされたCB750K4は、愛知のカスタムショップ改華堂が持ち込んだもの。
07主に125ccまでの市販レーサーや市販車改マシンが集まるCOTT-125クラスは、当日行われるレースの中でも参加台数が多く、迫力のバトルが繰り広げられるクラス。右は カンサイオチキチクラブ のスズキS10、左は グッドスピード のヤマハTA125。どちらも常連チームだ。
08予選でも各クラスでは激しいバトルが繰り広げられる。予選でも決勝でも、ホームストレートのピットウォールでは、各車の走りを食い入るように見つめる観客の姿がある。特にFISCOのストレートは長いので、ピットウォールでの見学も楽しめるはずだ。
09整備を待つBSAロケット3。3気筒時代のBSA・トライアンフはなかなかお目にかかれないマシンだろう。予選後のパドックでは、決勝に向けてメンテナンスを行うマシンを目にすることが出来る。中には、「果たして決勝に間に合うのか?」と心配するほどバラされたマシンの姿も。
10ビンテージハーレーの出走するAVCCクラスもクラブマンロードレースならではのイベント。こちらは常連ショップのチープスリルが持ち込んだWLAで、AVCC-STOCK-B(750cc未満)クラスに出走するマシン。写真のようにシフトはハンドチェンジなのだ。エンジンはサイドバルブ。
11現代的なモデファイを行わず、当時のスタイルを素晴らしいコンディションで保っているトライトン、そしてその脇にはエンジンスターター。ピットパドックではよくある風景だが、なんだかとても良い雰囲気。これが旧車の持つ魅力なのだろうか。
12国内ではノートンやBSAなどよりも珍しいといえるGreevesのロードレーサーの姿も。これは250ccのシルバーストーンだろうか? 空冷2サイクルのロードレーサーともなればそのサウンドはすさまじいの一言。ぜひ聞いてみたい、という人は会場へ足を運ぼう。
13BMWやMOTO GUZZIで意欲的なカスタムを手がける リトモセレーノ が持ち込んだのは、V7 アンバサダーベースのレーサー。グッツィファン以外には車名を聞いてもベース車すら思い浮かばない(?)が、同店の手にかかればこの通り。このようにアッと驚くマシンもいるから面白い。
14こちらは現行スポーツ車が数多く参加する、MAX2H耐久レースに出場していたロードゴーイングレーサー「DUCATI デスモセディッチRR」だ。その存在感たるや、やはり只者ではない。ライディングしていたのは、MOTO1でおなじみ MOTO AVANTY の佐野新世選手。
15当時の姿を残す国産レーシングマシンの姿もイベントには参加している。COTTクラスではRS125やTAシリーズを目にすることができるが、CBの大排気量モデルは非常に珍しい。これは先ほど紹介したCB500R。今回初参戦、とのことで常に人だかりが出来る人気だった。
16クラブマンロードレースでは、国内では数少ないサイドカーレースも開催される。主に国産4気筒エンジンを積むマシンが多いが、フレームワークに始まりエンジンの搭載方法、ステアリング回りのつくりなど、普通の二輪車にはないディティールが満載。
17COTT-125クラス決勝のスタートシーン。この時FISCOのストレートには、甲高い2ストロークサウンドと、低く唸るような4ストロークサウンドが入り混じって響き渡る。FISCO名物の長い長いストレートを下った先には、第一コーナーが待ち構えている。
18単一クラスとしては出走マシンも数多いこのクラス、ホームストレートやインフィールドでも抜きつ抜かれつのバトルが繰り広げられる。レースとしての面白さは、世界GPの125ccクラスと同じくらい、と言っても過言ではないだろう。
19ストレートを疾走するRS125。このクラスではホンダ車が多数派で、CB125JXやMT125Rが数多く参加する。次いでエントリーが多いのはやはりヤマハのTA125だ。どの車両も信じられないくらいのスピードで駆け抜けていく。
20LOCライトウェイト・ジュニア・セニアクラスの混走となる決勝レース。それだけにスターティンググリッドにはバラエティ豊かなマシンが集い、観客にとっては見ごたえのあるレースとなる。手前はノートン・マンクス30M。後輪にセットされているのはエンジンスターターだ。
21RSC的カラーリングとは異なる趣のペイントを施したCB77。この車両を製作したのは、DE耐!にもCS90などで参加するカスタムショップの アニマルボート 。
224ストロークマシンの中でも、特にCB72/77系のエンジンが放つサウンドは特徴的だ。4気筒CBとは全く異質で、見る者を圧倒する。二輪・四輪問わず、ホンダのレーシングサウンドに魅了されるファンは実に多い。
23ピット前に設けられたLegend Of Classicの本部前にはノートン・マンクスやマチレスG50など、往年の英国製GPレーサーがズラリ。これらの車両を一度に見ることが機会は、日本では滅多にないといえる。
24レースへのカワサキ車のエントリーは少ないが、常連のマッハレーサーのピット周辺には毎度トリプルファンが集まる。
25レースを観戦しに来ていたトライアンフ6Tサンダーバード。スプリングハブクッションを搭載する名車である。その奥にはトラチョッパーの姿も。エントラント同様、来場者の旧車好きも相当なものだと言える。
26CB50JXにC100、C92とホンダ小排気量のベストセラーがズラリ。観戦にやってくるバイクを見て会場を回るのも旧車レースイベントの正しい楽しみ方だ。
27こちらはカワサキWの集団。LOCの大排気量クラスではマッハ系がエントリーするが、残念ながらWの姿はない。誰かがW1Rでも作れば大いに盛り上がりそうだが……。
28こんな面白いマシンもいた。これはカワサキ250SS?ベースのトラッカー。うわさではこの仕様のままビンテージモトクロスに参加しているとか。次のVMXではぜひ取材してみたい!
29決勝スタート前、グリッドへとマシンを進める参加チームの面々。LOCヘビーウェイトクラス、AVCCクラスの混走となるこの決勝レース、エントラントの緊張が高まる一瞬だ。
30スタート前には参加するライダーが一人ずつが場内アナウンスで紹介される。レースではライバルでも、ライダー紹介の際には拍手を送る暖かい参加者たち。
31スタート前だというのにカメラを向けるとこのポーズ。実はこのライダー、LOCはもちろん、ビンテージモトクロス、そしてダートトラックにも毎回参戦しているという根っからのレース好き。
32マシンやチューニングの度合いにもよるが、エンジンスターターを用いてエンジンをかける参加者も多い。因みにオレンジのゼッケンをつけているのは、今回が初参加のライダーである。
33CSSCオープンクラスながら、圧倒的な速さを見せ付けたのは、ゼロエンジニアリングのXL1200改。インフィールドでの速さはもちろん、ストレートスピードの伸びは、XL1200オーナーが見たらビックリするに違いない。
34車体を震わせながら走るHD-WLA。一時期よりもエントラントが減っているAVCCクラスだが、各地のハーレーショップは精力的にレース活動を行っている。HOTBIKE JAPAN編集長の満永氏も毎戦ではないが、レースに参加している。
35決勝レースが終わり、西日の射してくる時間帯になると、クラシックレーサーの雰囲気もまた違うものに見えてくる。古き良き時代のマシンが好きで、写真撮影が好きな人にとっても有意義なイベントだ。このグッチはMOTO LABORO神宮司氏が走らせるV7スポーツ。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!