掲載日:2010年06月18日 名車ライブラリ
弱点を改良してスポーツシングルの長所を引き出す
素性の良さを磨き上げるBITO流SRXカスタム
20年以上経っても古さを感じさせないデザインと、ビッグシングルらしい走行性能で今もなお愛されているSRX400/600。ビトーR&D代表の美藤さんも、モノサス・セル始動のIV型を長く所有してきたSRXファンの一人だが、我慢できない3点があった。
ひとつ目は、コーナーでバイクが勝手に曲がっていってしまうような感覚の前後17インチホイール。二つ目はブレーキングのたびに簡単に底付きしてしまう太いだけのフロントフォーク。そして三つ目はスポンジだけが柔らかく、座るとお尻が沈んでしまうシートである。唯一無二のスポーツシングルなのに、この弱点のせいでSRXの魅力がスポイルされていると考えた美藤さんは、JB4タイプのマグ鍛で前後ホイールを18インチ化。これと定評のKYBスペシャルフォークを組み合わせることで、ばね下のドタバタ感が一掃され、コーナリングではライダーの意思によってマシンの向きを変える楽しみが与えられた。
また、JBコスワース製φ100mmピストンで660ccとされたエンジンは、スタンダードと同じ調子でクラッチミートしてもスタートできるフレキシブルさを持ちながら、スロットル開度が大きくなるにつれ強烈なパンチ力を発揮する。ハイコンプエンジンにありがちな、パンチ感があっても伸びの悪いものではなく、スムーズさを兼ね備えているのが美藤流味付けの妙である。SRXが絶版となったことで、このカテゴリー自体が絶滅したような状況だが、ビトーR&DのカスタムSRXに触れたらきっと誰もが思うはずだ。「もう一度スポーツシングルに乗りたい」と。
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